廃炉が決定した米カルフォルニア州の原発の運営会社が、三菱重工業を損害賠償を求めているという記事。以前報じられた1億ドル強の金額では済みそうにないようです。
「廃炉が決まった米カリフォルニア州のサンオノフレ原発を運営する電力会社のサザン・カリフォルニア・エジソン社(SCE)が、トラブルを起こした蒸気発生器を納入した三菱重工業に対し、原発停止で生じた損害全額を賠償するよう求めている。三菱重工側は「責任上限額を超える賠償責任はない」と反論しているが、米国では「懲罰的賠償のリスク」(業界筋)もあるだけに事態の行方は予断を許さない。」
「・・・三菱重工は19日「SCEの主張は不適切で根拠がない」とのコメントを発表。原発停止に伴う代替電源確保などの間接的な損害は請求されない契約だとして、全面的に争う構えを示す。」
現地の新聞報道
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Edison starts legal action in San Onofre nuclear plant shutdown(LATimes)
原発運営会社は、三菱が「レモン」(欠陥品)を製造した、その欠陥はあまりに根本的で広範なものであったために修理ができなかったと主張しています。三菱側も発電機がうまく動かなかったことは認めています。
"Our action is about making sure that Mitsubishi takes responsibility for providing the defective steam generators that led to the closing of SONGS" -- the San Onofre Nuclear Generating Station, said Edison President Ron Litzinger.
In the notice, Edison alleges that Mitsubishi manufactured "a lemon" and could not fix "defects in its product because they were so fundamental and pervasive."
Mitsubishi does not dispute that the generators failed after being installed as part of a repowering project designed to prolong the life of a facility that provided electricity for over 1.4 million homes in Southern California.
Frank Gillespie, Mitsubishi Nuclear's senior vice president, concedes that a previously unknown phenomenon caused the pipes to vibrate and leak, preventing the plant from producing energy.
The contractual dispute, he said, would be over who is responsible for the problem and how much financial liability is involved.
(もちろん三菱がどれだけ負担するのか決まったわけではありませんが)損害額は20億ドルを超えるようです。
Damages related to the failed steam generators likely will top $2 billion, according to Edison's most recent business update on costs associated with San Onofre.
廃炉の原因「三菱重工が契約違反」 米社、賠償手続き開始(産経)
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