東芝は、四半期報告書の提出期限延長に関する承認申請書の提出を行ったことを発表しました。
東芝の検証手続及び独立監査人によるレビュー手続が完全には終了していないとのことです。
延長が承認された場合の提出期限は、2017年3月14日です。
詳しい事情も書かれています。グループ会社であるウェスチングハウス社において、経営者による不当な圧力があったという内部通報がなされて、調べているようです。
「2017 年1月8日及び1月19 日に、当社グループ会社であるウェスチングハウス社(以下、 WEC)による CB&I ストーン&ウェブスター社の買収に伴う取得価格配分手続の過程において内部統制の不備を示唆する内部通報がありました。 これを受けて、監査委員会として当該内部通報の内容について、 外部弁護士である西村あさひ法律事務所を起用し、WEC が起用した K&L Gates LLP とともに、事実関係の調査を行いました。2017 年1月28 日に WEC の経営幹部から K&L Gates LLP に対し、 WEC 経営者による不適切なプレッシャーの存在を懸念する指摘があり、 1月下旬から2月7日にかけて西村あさひ法律事務所及び K&L Gates LLP による当該懸念の指摘を行った WEC の経営幹部へのインタビューを実施いたしました。 これを踏まえて、監査委員会としては経営者による内部統制の無効化が仮にあった場合には四半期連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると判断しました。 そのため、 現時点では四半期連結財務諸表に具体的に修正を行うべき事項を認識していないものの、 四半期決算を完了させるには、 内部通報により指摘されている事実関係に加えて、インタビューで懸念が示された経営者によるプレッシャーの存否やその影響範囲について更なる調査が必要との結論に、昨日午後、至りました。」
仮に不当な圧力があったとして、その場合にはその影響を判断する必要がありますが、「現時点では四半期連結財務諸表に具体的に修正を行うべき重要な事項を認識しておらず、独立監査人からもそのような事項の指摘を受けておりません」とのことです。
数字自体について、監査人ともめているということではなさそうです。監査人としては、現時点で、どこがおかしいということはないが、経営者の圧力でゆがめられているかもしれない数字に、漫然とサインするわけにはいかないということでしょう。巨額損失の元凶であるCB&I ストーン&ウェブスター社の買収に伴う取得価格配分手続の過程が問題とされているので、なおさらです。
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