オリンパス粉飾事件で、同社の第三者委員会が監査法人の責任についても調査報告書に盛り込む方向だという記事。
「オリンパスの監査は09年3月期まで「あずさ監査法人」が、10年3月期からは「新日本監査法人」が担当。第三者委は、10年以上にわたり損失隠しを見抜けなかった責任は重いとして、両法人の監査体制の問題点などを報告書で指摘する方向で調整している。」
少し先走った話になりますが、監査法人が責任追及されるということになると、監査法人に対する訴訟になるかもしれません。その場合には、両監査法人は、利益相反になるのでオリンパスの監査はできなくなります。PwCもウッドフォード氏に頼まれて疑惑を暴いた立場ですから、会社は嫌がるでしょう。そうすると、自動的に残ったトーマツが新しい監査人になると予想されます。
しかし、トーマツはおそらく第三者委員会に関与して、会社の決算訂正作業にかかわっていると考えられます。そうすると、自分で作った数字を自分で監査するわけにはいかないので、やはり監査人にはなれないということになります。(上場が維持されるとして)どこか準大手の監査法人が引き受けざるを得なくなるのではないでしょうか(あくまでも推測です)。
「社長を解任されたマイケル・ウッドフォード氏が言及した「反社会的勢力など外部への資金の流出」の可能性については、含み損額と損失穴埋め額がほぼ同額だったことなどから、認められなかったと結論づけるとみられる。」
含み損の額は最大1300億円程度だったと報じられていますが、その1%でも10億円以上です。「含み損額と損失穴埋め額がほぼ同額だった」から、反社勢力に流れていないと結論付けるのは、少し雑でしょう。また、問題の取引は10年以上外部のチェックを受けていなかったわけですから、不正な流用を資金運用における損失のように仮装することは極めて簡単であると思われます。
両監査法人は、クビになったか、いずれクビになる立場ですから、誰に遠慮することなく、徹底的に監査してほしいものです。(クビにならなくてももちろん徹底的にやるべきですが)
オリンパス損失隠し 第三者委、監査法人の責任言及へ(朝日)
オリンパス損失1300億と認定 第三者委、6日にも報告書発表(共同)
オリンパスM&A仲介の中心人物、中川氏を香港で確認(ロイター)
オリンパスの問題の取引に深く関与した人物が香港にいるようですが、第三者委員会は事情聴取したのでしょうか。
【お金は知っている】米国も注視…日本企業とヤクザの関係(夕刊フジ)
最近の「不正経理」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
2000年
人気記事