「オリンパスの問題は遺憾」、金融庁がIFRSに関する合同会議（ＩＴproより）

「オリンパスの問題は遺憾」、金融庁がIFRSに関する合同会議

11月10日に開催された企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議の模様を伝える記事。

連単分離の意見が多かったそうです。

「前回と同様、意見の大半を占めたのが、連結財務諸表と単体財務諸表を切り離してIFRSの適用を考える「連単分離」の考え方だ。多くの委員が連結財務諸表と単体財務諸表の利用目的が異なることや、すでに連結財務諸表と単体財務諸表を別に作成している日本企業があるが、日本市場が混乱していないことを、連単分離の理由として挙げた。

　トヨタ自動車取締役・専務役員の伊地知隆彦氏は「当社は米国会計基準を採用しているが、大きな問題が起こったことはない。コストがかかるわけでもない。IFRSが単体財務諸表にも適用になる一方で、税法は変わらないとなるような事態の方が心配だ」と話す。加えて、「連結先行というと、どうしても将来的に単体財務諸表に影響を与える税法はどうなるか、ということを考えてしまう。連結先行の考え方をキャンセルして、連単分離を打ち出すタイミングではないか」（伊地知氏）との見方を示した。

　少数ではあるが、連単分離ではなく「連結財務諸表と単体財務諸表は一体として考えるべき」とする意見もあった。明治学院大学教授の斎藤静樹氏は「連単分離をしてもいずれ、単体が連結に引っ張られて変わることになるのではないか」と指摘。IFRSを適用するならば、「連結財務諸表と単体財務諸表、さらに周辺の制度を一体として考えていかないといけない。会計基準だけ切り離して考えることはできない」（斎藤氏）とした。」

これを読むと、連単分離は、税務などのややこしい問題が絡んでくる単体を切り離さなければIFRS導入の議論が進まないという考え方のようです。

記事の最後でふれていますが、今月から来月にかけて、海外調査を行うそうです。

「金融庁はこのほか、海外調査のために11月27日～12月4日に欧州（仏、独、EU）、12月11～18日に北米（米国、カナダ）とアジア（中国、韓国）を訪問することを発表した。」

「連単分離」に傾くIFRS議論、金融庁審議会はまとまるか（＠IT）

企業会計審議会総会・企画調整部会合同会議　議事次第（金融庁）

11日の審議会ではオリンパスの話題も出ています。たしかに海外では、オリンパスだけの問題ではないとみられているようです。
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Corporate Japan Rocked by Scandal at Olympus

The scandal is rocking corporate Japan not least because of the company’s succession of firings, denials and admissions; it is also certain to expose weaknesses in Japan’s financial regulatory system and corporate governance, analysts said.

Analysts also warned that more Japanese companies could be hiding losses they incurred in the country’s asset-and-stock-price bubble economy of the late 1980s. Companies routinely poured billions of yen into speculative trades ― moves called “zaitech,” or “financial techniques” ― that turned sour when the bubble burst in 1990.

“This has been two lost decades for corporate accounting. It’s easy to imagine companies hiding losses for years, waiting for financial markets to recover,” said Hideaki Kubori, a lawyer in Tokyo who specializes in corporate governance and compliance. “But the recovery never came.”