出前館が2021年8月期有報の提出期限延長を申請したという記事。過年度訂正も行うようです。
「出前館は30日、2021年8月期の有価証券報告書の提出期限の延長を関東財務局に申請したと発表した。監査法人の指摘で判明した債権債務残高の誤謬(ごびゅう)に関する調査結果から、損益に影響が出る見込みで、過去の有価証券報告書などの訂正報告書を提出することになるという。」
誤謬に係る社内調査委員会の設置に関するお知らせ(PDFファイル)
「当社は、2021 年 11 月 12 日付で公表した「第 22 期定時株主総会の継続会の開催方針に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、2021 年8月期決算に係る監査手続の過程において、監査法人からの指摘により債権債務(未収入金・未払金)の残高について誤謬の存在が判明し、現在までの調査の結果、損益に影響を与えると想定されることから過去に提出した有価証券報告書等及び内部統制報告書の訂正報告書の提出、決算短信等の訂正を要する見込みとなりました。今般の事態の発生を受けて、当社では部門横断的な役職員で構成される社内調査チームを組成し本格的な社内調査に着手し、未収入金・未払金の調査を進めてまいりましたが、調査を進める中で外注費の計上漏れによる誤謬も判明したことから、より客観性の高い専門家を加えた調査委員会による調査体制が望ましいと考え、本日、社内調査委員会の設置と調査体制の移行を決定いたしました。」
言葉の使い方として、この場合の「誤謬」は「誤謬」と「不正」の両方を含む会計処理の誤り(虚偽表示)という意味なのでしょう。調査委員会がこれから調べようというときに、意図的でないという意味での「誤謬」だと断定することはできないはずです。
第 22 期有価証券報告書の提出期限延長に係る承認申請書提出に関するお知らせ (PDFファイル)(注:その後承認されたようです。)
「...2021年8月期決算に係る監査手続の過程において、監査法人から債権債務の残高について誤謬の存在を指摘されておりました。具体的には、出前館利用者が「出前館」を通じてクレジットカード決済等で購入した商品代金に係る未収入金や各加盟店へそれぞれ個別に支払う未払金の残高に誤謬が存在することが判明しました。また、この誤謬の調査を進める中で外注費の計上漏れも判明し、損益に影響を与えることから、過去に提出した有価証券報告書等及び内部統制報告書の訂正報告書の提出、決算短信等の訂正を要する見込みとなりました。」
クレジットカード決済の出前がある都度、クレジットカート会社への未収入金と、店舗への未払金(商品代金)と、手数料収入を計上する、未収入金と未払金は、それぞれ契約に基づき入金がなされ、支払を行うという流れなのでしょう。そこが間違っているということは、営業のメインの部分でしょうから、けっこう大きな問題のようにも思われます。ただ、多数の細かい取引の積み重ねでしょうから、細かいミスが累積してしまうということはあるのかもしれません。
不正か誤謬かという問題については、未収入金・未払金は、不正の可能性をうかがわせる状況にはないと述べています。
「未収入金及び未払金に関して不正な資金移動が疑われるような取引先や支払いは検出されていないことから、不正の可能性をうかがわせる状況にはございませんが、費用計上がなされていない外注費の支払処理については、そこに不正の意図がなかったかどうかについて検証を行う予定です。」
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