東電の原発事故でまき散らされた放射性物質を除染する費用が、福島県内だけで最大約5兆円かかるという記事。最終処分にかかる費用を含まない金額だそうです。
「東京電力福島第1原発事故で拡散した放射性物質の除染について、産業技術総合研究所の研究グループは23日、福島県内だけで最大約5兆円かかるとの試算を公表した。政府は2011~13年度、除染経費として1兆1500億円を計上しているが、これを大きく上回る結果となった。」
「内訳は、▽除染作業に2兆6800億円▽除染で生じた汚染土壌などの中間貯蔵(30年間)に1兆2300億円▽仮置き場での保管に8900億円--など。最終処分にかかる費用は計上しておらず、さらに膨らむとみられる。」
当サイトでも何度かふれているように、東京電力は2013年3月期までの決算で除染費用はまったく損失計上していません。5兆円というのは最大金額(ただし記事によれば最終処分費用は含まないので実際はこれを上回るかもしれない)とのことなので、それを見積り金額とする必要はないのでしょうが、政府が予算に計上済みの1兆1500億円は合理的な見積もり金額です。(そうでないと政府は国民をだましていい加減な予算を通したことになる。)
日本の会計を礼賛する人は、東京電力の決算の実態を世界に発信すべきでしょう。
東電、「想定外」「予見不可能」を16連発(東洋経済)
「・・・東電は事故を防げなかったことに「深い反省」を述べる一方、事故をいまだに「想定外」とすることで不作為や重過失をきっぱりと否定している。不作為や重過失があったと認めた場合、原子力損害賠償法の無過失責任原則に基づく現在のルールは根底から見直しを迫られるとともに、賠償額は従来と比べても大幅に膨らむことが必至だからだ。・・・」
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