日本公認会計士協会は、監査提言集の改訂を公表しました。
監査提言集とは、「監査業務審査会の審議を通して浮き彫りとなった業務改善事項については、すべての監査人にとって有意義なものであるとの考えから、・・・会員向けに公表」しているものです。協会ホームページには一般向けの抜粋版が掲載されています。
冒頭に記載されている提言概観を紹介します(昨年のものと変わっていないようですが)。
・契約書等の証憑が揃っていることと取引が実在することとは必ずしも同じでない場合があるので注意が必要である
・監査証拠力の強弱の適切な評価が必要である
・監査リスクは、常時変化する可能性があるのできめ細かな対応が必要である
・監査手続は、監査人として納得感を得るまで追及することが大切である
・新しい業務や事業等は、新たな監査リスクを生み出すのが一般的である
・投融資は、その内容を十分把握できるまで監査の結論を出せない場合が多い
・損失処理することと監査上のリスクが解消することとは別の問題である
・時間的制約のある監査人交代は、監査リスクを大きく増加させるのが一般的である
・会計基準の適用には、その設定趣旨を尊重した正しい理解が必要である
・連結財務諸表への影響の大きい連結子会社への監査アプローチは、親会社と同等の監査水準を必要とする場合がある
・監査調書は、監査人の行為の正当性を立証する唯一のものである
会員専用ページからは、全文版が入手できます。
(細かい話ですが、提言集(一般向け)自体に公表日の記載が見当たりません。会計士らしくない書類の作り方であり、感心しません。ただし、全文版には日付の記載があります。)
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