週刊経営財務6月15日号によると、三菱UFJフィナンシャル・グループが、会社法計算書類の会計監査人監査報告書でKAMを記載したそうです。監査人はトーマツです。
単体の計算書類の監査報告書しか見当たらなかったのですが...
(事業報告より)(画像クリックで拡大)
子会社株式の評価をKAMとして挙げています。持株会社なので、そのくらいしかないのでしょう。
詳しくは、経営財務の記事をご覧ください。
(補足)
連結のKAMもありました。下記資料の62ページからです。
↓
法令及び定款に基づくインターネット開示事項(PDFファイル)
1 貸出業務における貸倒引当金の算定
2 買収・出資に伴うのれん及びその他の無形固定資産の評価
という2つの項目をKAMとして説明しています。
のれん・その他無形固定資産については、バンクダナモンという海外子会社について主に説明しています。のれんの減損処理は不要だったが、個別決算で子会社株式を評価減したので、会計士協会の指針に基づき、のれんは全額償却されたとのことです。(日本基準ののれん減損基準は、それだけ甘いということでしょうか。)
「経営者は、上述の会計基準等に基づいてバンクダナモンののれんの減損処理を行うかどうかの判定を行った結果、減損処理は不要であると判断した。ただし、当該バンクダナモンののれんは、連結注記表の「連結損益計算書に関する注記4.」に記載されている通り、会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(日本公認会計士協会1998年5月12日 2018年2月16日最終改正)第32項の規定に基づき、当連結会計年度末において全額償却されている。」
また、貸倒引当金については、連結計算書類の「会計方針に関する事項」の「貸倒引当金の計上基準」の中で「追加情報」が記載されています。(19ページ~)
「(追加情報)
当社の重要な子会社である株式会社三菱UFJ銀行(以下、「三菱UFJ銀行」という。)及びその一部の連結される子会社では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による取引先の経営状況及び経済環境全体に及ぼされる影響を考慮し、取引先の財務情報等に未だ反映されていない信用リスクに対する影響額を見積り、貸倒引当金を45,347百万円計上しております。
この算定プロセスには、重要な影響が見込まれる取引先の範囲の選定(特定の業種や地域)、特定のシナリオに基づく将来の経済状態の想定、当該業種や地域に属する取引先の将来の内部信用格付の下方遷移の程度に関する集合的な見積り等が含まれます。感染症の広がり方や収束時期等に関しては、参考となる前例や統一的な見解がないため、三菱UFJ銀行及びその一部の連結される子会社は、収束時期を2020年12月末頃と想定する等、一定の仮定を置いた上で、入手可能な外部情報や予め定めている内部規程に則った経営意思決定機関の承認等に基づき、最善の見積りを行っております。」
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