自民党の企業会計に関する小委員会が四半期開示見直しなどについて提言を出したことについては、すでに報じられていますが、提言書の全文が、自民党のウェブサイトに最近掲載されたようです。ウェブサイトの日付は4月21日で、提言書の日付は3月29日となっています。
経団連や財務会計基準機構などにヒアリングしていますが、会計士業界ではあずさ監査法人のパートナー2人(1人は会計士協会役員)から話を聞いたようです。
四半期開示見直しに関する部分より(一部)。四半期開示一本化後の課題にもふれています。長期的には、企業の自主性重視とのことです。


別紙で留意すべき事項というのがついています。そのなかであぶないなあと思われる項目。

「予想される国」というのは、自民党が嫌いな中国などを暗に指しているのでしょうが、企業を政治・外交問題に引きずり込むことにならないのでしょうか。また、世界中をみれば、人権無視の軍事独裁政権と民主主義的政権を行ったり来たりしている国や、一党独裁国家、宗教的な王政国家などはいくらでもあって、日本企業がそういう国に進出したり、ビジネス上の関係を持ったりするケースもあるでしょう。企業が、人権状況や地政学的リスクを検討したうえで、人権抑圧に荷担したり、過度なリスクを負ったりするの避けることは必要でしょうが、具体的な開示まで必要なのでしょうか。
提言書では「地政学的リスク」ということをいいつつ、上記自民党ウェブサイト記事の写真にも関連議員として登場している人物は、ウクライナ侵攻に関して陰謀論を流しているそうです。
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自民党・西田昌司議員が“陰謀論”著者と対談で批判殺到「ウクライナ侵攻は大東亜戦争と同じ構図」と主張も(Yahoo)
「西田議員は対談の冒頭で、2014年から注目してきた「ビッグゲスト」として馬渕氏を紹介。そして、この対談をおこなうに至った動機は、「物事はそもそも片方がすべて正しくて、もう片方が一方的に間違っていることはあり得ない」のに、ロシアを悪とするマスコミの偏向報道に疑問を持ったためだと語る。
著書を何冊も読み、YouTubeチャンネルの動画を何十本も見てきたと、馬渕氏を完全に信奉している様子の西田議員。
だが、いくらロシアを擁護したとしても、ロシアがウクライナでおこなっている残虐行為は、消えることはない。」
企業に開示を求める前に、自分で地政学(やその背景にある歴史)を勉強した方がよいのでは。
四半期開示見直し 首相「肝いり」政策はなぜ迷走したのか(毎日)(記事の一部のみ)
「岸田文雄首相が看板政策に掲げる「新しい資本主義」の柱の一つとして打ち出した企業の四半期開示をめぐる議論が迷走している。政府が4月に出した結論は、当初想定していた四半期開示の廃止ではなく、現在、2種類ある四半期業績に関する決算書類を一本化するという玉虫色の内容。首相の肝いり政策は、どうしてすり替わったのか。」