日本公認会計士協会が特別協賛した「IFRS~高まる国際基準適用の必要性」というシンポジューム(7月17日開催)のダイジェスト動画(約13分)へのリンクが、掲載されています。
パネリストの発言より
「森 IFRSは米国基準のような“外国の基準”ではない。わが国は40年以上にわたって会計基準の国際標準化に関わっており、IFRSはわが国の基準でもある。こういう認識と視点は非常に重要なことだ。内容面に関しては例えば「のれんの定期償却がない」というような声もあるが、のれんのような複雑な資産の評価は意見が分かれてもやむをえない。会計基準に関しては様々な考え方があるが、グローバルな資本市場における比較可能性という面を忘れてはならないと思う。」
「島崎 導入した企業が挙げるメリットとしては、(1)連結ベースの財務報告体制を効率化できる、(2)IFRSをテコにグローバルな連結経営の深化を図ることができる、(3)国際的な企業間競争において競合他社との比較可能性が高まるなどがある。今まで使用していた基準と比べて使い勝手が悪いこともあるかもしれないが、自分の会社に100%マッチした会計基準というものはない。細かい点に目が行ってしまいがちだが、企業としてのグローバルな成長戦略の中で会計基準をどうするか、CEO、CFOなどの経営陣が決断してほしいと思う。」
「吉野 まずは任意適用をいかに増やすかということが第一目標だ。任意適用がある程度広まれば、次は強制適用を議論することとなるだろう。また、修正版IFRSに関してだが、自民党が昨年行った提言では、国際ルール作りに参加するための修正版の検討ということを語っているのであり、修正版そのものの適用を推進するという意味ではないことはしっかりお伝えしておきたい。」
「藤沼 日本は現時点でのIFRSの適用企業数は少ないが、任意適用の要件を緩和したことで拡大する可能性があると期待されている。300社達成のための具体策はいくつかあるものの、ホームランのような決定的な策があるわけではなく、ヒットを積み上げて増やしていくしかない。世界的にはIFRS適用の流れが加速しており、日本だけがガラパゴス化しないように内外の関係機関との連携が重要だ。」
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