会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

上場企業の雇調金 9社が100億円超え 小売は4割超が申請(東京商工リサーチより)

上場企業の雇調金 9社が100億円超え 小売は4割超が申請

雇用調整助成金の受給、または申請を情報開示した上場企業が、814社に達したという記事。2020年4月1日~2021年7月31日の開示資料を調べたそうです。

「新型コロナ感染拡大に伴う雇用支援で、2020年4月分から雇用調整助成金(以下、雇調金)の特例措置制度が適用された。2021年7月末までに開示された上場企業の決算資料で、雇調金の計上・申請が814社に達したことがわかった。上場企業(3855社)の21.1%を占める。」

金額は...

「雇調金計上額は判明した723社で合計5190億4450万円にのぼり、6月末から523億6700万円(11.2%増)増加した。」

業種別には...

「814社の業種別は、製造が322社(計上額1029億2,970万円)で最多だった。

次いで、外食を含む小売154社(同1014億1190万円)、観光などのサービス152社(同1003億7550万円)と続く。

利用率を業種別で見ると、小売が44.3%(347社中154社)と群を抜き、次いで運送39.2%(125社中49社)、サービス28.5%(532社中152社)と、新型コロナが直撃した業種で申請企業が目立つ。製造は21.6%(1490社中322社)だった。

計上額では、航空会社・鉄道を含む運送(49社)が1744億4700万円で最も多く、長引く外出自粛、移動制限による減便などが響いた。」

計上額が大きな会社は...

「計上額が10億円を超えた105社は、百貨店、外食を含む小売(30社)、製造(27社)、交通インフラを含む運送(22社)、ホテルやブライダルなどのサービス(16社)に集中する。製造はアパレル関連や輸送用機器が目立ち、コロナ禍で深刻な影響を受けた業種に偏っている。」

こういうときのために企業は保険料を払っているのですから、助成金を受け取る権利はあるわけですが、いつまで続けられるのか...。

雇用調整助成金、9月に財源枯渇か 雇用保険料の見直し検討本格化(8月29日)(毎日)

「雇用保険には、保険料を①企業と労働者が折半して負担し、失業手当に充てる「失業等給付」と、②企業だけが負担する職業訓練や失業予防など「二事業」の二つの事業がある。2019年度末の積立金残高は①4兆5000億円、②1兆5000億円で、雇調金は②から支払われる。

 政府は当初、コロナ禍の特例措置を「一時的な対応」と想定していたが、感染拡大が収まらないため縮小できず、支給総額は4兆2000億円に達した。②の積立金だけでは足りなくなり、①の積立金から1兆7000億円を借り、一般会計(税金)から1兆1000億円を穴埋めした。①の積立金は本来、失業手当の支払いに備えるためのものだが、「資金が枯渇したため、リーマン・ショック以来の対応となった」(厚生労働省担当課)という。

雇調金は今年度、1兆2000億円の支給を見込んでいたものの、8月20日時点で既に1兆円を超えた。1カ月当たりで2000億円超を支払っているため、9月には底を突く可能性がある。」
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