金融庁の証券取引等監視委員会が、ばんせい証券とばんせい投信投資顧問に行政処分を行うよう勧告したという記事。顧客をだまし、自社の損失を顧客に付け替えたという不正が指摘されています。
「今回の事案では、ばんせい証券が2005年から2010年にかけて組成・販売などを行った一部の商品ファンドが対象。対象ファンドのうち、ばんせい証券が一部出資するファンドが全額投資するファンドが、船舶関連私募債(船舶債)を2.6億円買い付けたが、 その後、船舶債の価格下落を知りながら下落を反映させない価格(簿価)で船舶債を他のファンドに売却。その結果、ばんせい証券は船舶債の価格下落に伴う損失を免れる一方、同証券が組成した商品ファンドに投資した一般投資家や年金基金が損失を被った。」
顧客に損失を負わせたというだけでなく、ばんせい証券は、自社の財務諸表において計上すべき損失を計上せず、流用した顧客のカネで穴埋めしていたということですから、粉飾決算を行っていたことにもなります。
会計監査では発見できなかったのでしょうか。
ばんせい証券株式会社及びばんせい投信投資顧問株式会社に対する検査結果に基づく勧告について(金融庁)
「ばんせい証券が行った、利益相反となる船舶債の上記売買及び利益相反管理態勢に係る不備は、金融商品取引業者として極めて不適切なものであり、金融商品取引法第51条に基づく業務改善命令を発出することができる場合の要件となる「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。」
「ばんせい投信が行った上記の行為は、顧客である甲年金基金のために忠実に投資運用業を行っていないものであり、金融商品取引法第42条第1項に違反すると認められる。」
証券取引等監視委員会による勧告について(ばんせい証券)
むさし証券は、デリバティブの相場操縦で勧告です。
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むさし証券に行政処分と課徴金勧告(産経)
むさし証券株式会社による相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について(金融庁)
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