東証1部上場の自動車用マフラー大手、フタバ産業で、出資しているロボット会社への総額約64億円の不正融資が判明したという記事。17億円余りはまだ返済されていないそうです。
「調査委の報告書などによると、フタバ産業は2005年8月から09年2月までの間、ロボット製造販売の「ビジネスデザイン研究所」(名古屋市中区、木村憲次社長)に対し、取締役会決議など正規の手続きを経ずに金融支援を行った。フタバ産業が直接貸し付けたケースのほか、海外子会社からの支払いもあった。
フタバ産業は03年6月、ロボット製造に進出するためビジネスデザイン研究所に出資したが、05年8月ごろから同研究所の財務状況が悪化。出資は今年3月に辞任した当時の小塚社長の肝いりだったとされ、経理担当役員らが倒産を防ぐため、手続きをせずに支援を続けていたらしい。」
株式会社ビジネスデザイン研究所に対する不正な金融支援および特別調査委員会の調査結果報告につきまして(PDFファイル)
プレスリリースによれば、建設仮勘定や海外子会社からの前渡金として処理していたようです。
一度過年度決算の修正を行っていますが、その際には、調査が十分ではなかったようです。ただし、プレスリリースを読む限りでは、過年度修正の際に損失計上はしているので、追加的な損失はないとのことです。
不正の背景については、調査委員会のコメントを引用して、以下のように述べています。
「BDLへの出資はもともと小塚逸夫前社長の紹介を契機にしていたため、役職員が「社長案件」として、BDLに関して失敗は許されず、悪い報告を行うことすらできないという意識を強く持っており、そのような意識に遵法精神の欠如が加わり、経理担当の元常務および元執行役員が、当社の正式な決裁手続を経ることなく、無断で、露見しないような方法にて徐々にBDLの資金繰りを支援し始めたのではないかと推察されます。」
元社長はともかく、経理担当の役員までクビになったのは、気の毒といえば気の毒です。
「社長案件」暴走生む フタバ産業不正融資
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