ソフトバンクグループの副社長を退任したニケシュ・アローラ氏をめぐる疑惑を取り上げた記事。
「ソフトバンクグループ(SBG)の副社長を突然退任したニケシュ・アローラ氏にかけられた利益相反疑惑の詳細が明らかになった。朝日新聞は、匿名の株主が米法律事務所を通じてSBGに提出した調査要求書の全文を入手。それによると、この株主は、アローラ氏がSBGの要職にありながら自身や役職を兼務していた投資ファンドを利する行為をしていた疑いを指摘し、調査を求めていた。」
「調査要求書は①アローラ氏の利益相反疑惑②ソフトバンクの投資案件の実績が芳しくないこと③それにもかかわらず、高額報酬を受け取っている――点を問題視している。」
こちらの記事でも、匿名投資家による書簡の内容についてふれています。
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孫社長の後継者「アローラ電撃退任」を追う
匿名投資家による疑惑の指摘は主に7項目(東洋経済)
「書簡が指摘した主な疑惑は以下のとおりだ。
1 シルバーレイク・パートナーズというハイテク銘柄に特化した投資ファンドのシニア・アドバイザーをニケシュ氏が兼任していることは、ソフトバンクに対して利益相反に当たる。
2 2015年1月に、アリババのインサイダー情報を得て、シルバーレイクが保有アリババ株の45%を売却していたのはインサイダー取引に当たる。
3 ドラマフィーバー(動画配信)やインドのハウジングドットコム(不動産サイト)への投資は成果が出ていないが、ニケシュ氏が事前調査を怠ったのではないか。
4 インドのEC大手スナップディールに二度の出資をしているが、2回目は資金需要がないとスナップディールのCEOが明言しているのにも関わらず強行した。
5 インド企業への投資で助言していたアロック・サマ氏に、半年間で600万ドルの報酬をニケシュ氏は払っているが、払いすぎでないか。
6 実績のないニケシュ氏に2014年度に165億円もの報酬を支払ったのは、ソフトバンク株主に説明がつかない。
7 高額報酬が明るみになると、ニケシュ氏は600億円のソフトバンク株を購入すると公表したが、ニケシュ氏に自腹で買うだけの資金力はなかった。ソフトバンクが債務保証をし、融資でニケシュ氏は購入したに違いないが、その点についてのソフトバンクの情報開示は十分でない。」
利益相反については、法律問題なのでなんともいえませんが、ソフトバンクの取締役会でコントロールしていればいいのかもしれません。
インサイダー取引については、それ自体で問題だと思います。
6番目の高額報酬については、かなり異常だと思いますが(2015年度も約65億円支給している)、ソフトバンクの株主が認めているのであれば、それでいいのでしょう。ただ、法人税上はどうなのでしょうか。
7番目に関しては、会社の偶発債務(債務保証)の注記に関係しますが、以前取り上げた別の報道によれば、保証していたのは孫社長だったそうです。
当サイトの関連記事(副社長の自社株買いの資金調達方法について)
その2(米SECが疑惑を調べているという報道について)
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