会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「三菱UFJがメインバンクの商社」が“20年物の大粉飾”、50の金融機関が食らった不正の手口(ダイヤモンドオンラインより)

「三菱UFJがメインバンクの商社」が“20年物の大粉飾”、50の金融機関が食らった不正の手口

「堀正工業」という非上場会社の悪質粉飾問題(当サイトでも何回か取り上げました)の解説記事。

地銀がだまされた背景がおもしろいと思いました。

「地銀の審査部門とコミュニケーションを取っているとわかるが、地銀はある企業に新規融資を検討する際、既存の取引金融機関の「顔ぶれ」を非常に重視する。...

そこで、三菱UFJ銀行のようなメガバンクがその会社をメインバンクとして支えているというのは願ってもない強力な「お墨付き」となるのである。

メガバンクはその情報力と分析力で地銀を圧倒する。ましてメガバンクが預金・決済の情報も十分に得られるメインバンクという立場にいて、融資残高の推移からも支援姿勢に後退の兆候が見られないということになれば、地銀としては、少なくとも定性面で問題のない会社とみてしまう。

地銀は地元のことであれば隅々まで知っているが、大東京ではそうはいかない。都内には「数字が良くても詐欺師や反社の息がかかった企業」というのはザラにあり、新規融資先の開拓に余念のない地銀を引っかけようと手ぐすねを引いている。そんな連中に引っかからないために実務上、メガバンクがメインかどうかというのが、リトマス試験紙のような役割を果たしているのだ。」

「そのリトマス試験紙3種類(3メガ)の中でも三菱UFJ銀行というのは最も感度が高い(信用できる)とされており、実際のところほとんど裏切られることはない。

堀正工業の破産申立書でわかったことだが、三菱UFJ銀行は同社に35億円もの債権額があった。地銀は三菱UFJ銀行の融資額をもっと少なく伝えられていたはず(トータルの借入額で40億円台と信じていた)だが、少なくとも長年にわたるメインバンクであることは理解していた。つまり、堀正工業に対する数億円の融資について、あたかも大船に乗ったような気でいた。

それが取引金融機関の数と融資額がこれほど増えてしまった背景にあり、その分裏切られて泥船だったことがわかった衝撃も大きかったというわけだ。」

そのほか、粉飾の手口についても、破産申立書などをもとに比較的詳しく書いています(すでに他の報道により取り上げているので省略)。

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