日本航空の経営再建問題を取り上げた日経ビジネスのサイトの記事です。機材関連報奨額についてふれています。
すでにいろいろなところで報道されている事実だと思いますが、あらためて注目を浴びることになるのでしょう。
「メーカーから航空機を購入する場合、航空会社は2通りの値引き交渉を選択することができる。1つは単純明快な現金値引きだ。例えば、100億円の航空機を2割値引きしてもらい、80億円で購入する、といった具合である。この場合、バランスシート上で購入機材は80億円として計上されるだけだ。
もう1つのやり方はクレジット・メモ方式と呼ばれるものである。クレジット・メモはクーポン券みたいなもので、航空会社はそれを使ってスペアパーツを購入したりする。この場合、同じ2割の値引きでも航空機の代金100億円はそのままだが、会計ルール上、クレジット・メモ20億円については営業外収益に「機材関連報奨額」として一括計上することができる。つまり、利益となるのだ。
実はJALはクレジット・メモを“乱発”することで、利益を先取りしてきた。2005年3月期の483億円を最高に、1993年3月期からの分だけでも、その総額は2000億円を超える。この分、JALの期間利益は実力よりカサ上げされてきたと言える。」
資産の取得原価から控除する(リースであればリース料の算定基礎となる金額から控除する)か、ただちに利益とするかという問題です。収益認識の会計基準とも絡んできますが、現行の基準では、契約上はっきり、航空機の購入とひも付きの値引きと書いていなければ、どちらの処理もありうるのでしょう(個人的には実質で判断して原価のマイナスとすべきだと思いますが)。今後、IFRS導入に向けて、議論される点のひとつだと思います。
記事では、V字回復を狙って、(必要以上に?)含み損処理やリストラ費用前倒しをやるのではないかと指摘しています。この点も気になります。
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