会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

SEC、国際会計基準への移行に向けた手続き開始

NIKKEI NET(日経ネット):米DJニュース 〓米ダウ・ジョーンズのニュース

米証券取引委員会が、国際財務報告基準(IFRS)への移行の手続きに着手し、同国の「一般に認められた会計原則(GAAP)」が数年のうちに最期を迎えることを示唆したという記事。

「SECの提案では、一部の大規模な多国籍企業は2010年からIFRSに基づく財務報告ができるようになる。・・・またSECは、すべての米上場企業が、数十年にわたり経理担当者の指針となってきたGAAPに代えて2014年からIFRSを採用するための行程表について説明した。」

SEC Proposes Roadmap Toward Global Accounting Standards to Help Investors Compare Financial Information More Easily(SECのプレスリリース)

The Securities and Exchange Commission today voted to publish for public comment a proposed Roadmap that could lead to the use of International Financial Reporting Standards (IFRS) by U.S. issuers beginning in 2014.

「SECは、本日(8月27日)、米国の発行会社による2014年からのIFRSの使用につながるロードマップを公表した。」

The proposed multi-year plan sets out several milestones that, if achieved, could lead to the use of IFRS by U.S. issuers in their filings with the Commission.

いくつかの段階を踏んで、最終的には米国企業によるIFRSの適用にもっていこうという計画のようです。

The increasing worldwide acceptance of financial reporting using IFRS, and U.S. investors' increasing ownership of securities issued by foreign companies that report financial information using IFRS, have led the Commission to propose this cautious and careful plan.(SECの委員長の談話)

背景として、IFRSが世界中で受け入れられてきていることのほかに、IFRSを使っている外国の会社への投資を米国の投資家が増やしていることを挙げています。投資家サイドからすると、外国の会社はIFRS、米国の会社は米国基準というのでは、適切な投資判断ができなくなる、統一した基準で開示すべき、IFRSが優勢ならそれにのらざるを得ないということでしょう。

25日の日経夕刊では、「米国に上場する日本企業への直接的な影響は、当面、限定的」といっていますが、今回のロードマップどおりに進めば、最終的には米国企業と並んでIFRSに移行せざるを得ません。また、日本基準のコンバージェンスをどう進めていくか、どういうスケジュールで進めるかにも影響する動きです。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事