日経の「揺れる監査」という連載の2回目。
監査厳格化(会社との摩擦も)、慢性的人手不足で疲弊した若手・中堅は監査法人から離れていく、会計士試験合格者は07年度の4分の1にまで減少、監査法人の採用では若手の争奪戦、といった内容です。
後半では、新日本監査法人を例に挙げて、監査法人が人材の新陳代謝を目指していることを書いています。
「昨年末、東芝の不正を防げなかったとして金融庁から行政処分を受けた新日本監査法人は信頼回復をかけて人材の新陳代謝を急いでいる。まず有望な若手を確保するため、会計士を志望する約150人を試験合格前に採用する。授業料などを支援し、働きながら合格を目指してもらう。一方、企業では幹部に相当し、監査報告書に意見を記す資格を持つパートナー約630人はより厳しい評価にさらされる。監査の質が低いと評価された場合、1年以内に改善できないと退職を促され、給料も減額される。」
人件費削減策なのでは。海外のビッグ4も、職員の勤続年数は比較的短い(10年をはるかに下回るのではないでしょうか)ようですが、日本の大手もそれに近づけていくのでしょう。
法律の問題点にもふれています。
「「なれ合いを許さない」(辻幸一理事長)という新制度には、実は公認会計士法という隠れた障害がある。ルールでは一度パートナーになった会計士の退職には全員の同意が必要と定められている。」
「現状とそぐわない法律にも、制度疲労の一端が現れている。」
監査法人執行部の力を高めるような制度にして、経営力を向上させるべきという論調なのでしょう。しかし、大手監査法人は、今でこそ監査品質を口にしていますが、ほんの数年前は営業第一だったわけで、間違った方向にいった場合に、ブレーキがかからなくなるリスクもありそうです。
監査法人のガバナンスにも関係する話です。
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その2(新日本の採用活動について)
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