日本公認会計士協会は、「2024年度品質管理レビュー方針」を公表しました(日付は2024年5月23日)。
2023年度との違いは...
「2023年度においては、上場会社等監査人登録制度上の名簿への登録を控えたみなし登録上場会社等監査人の上場会社等の監査を公正かつ的確に遂行するための体制の整備状況の確認に係る対応が中心となりました。2024年度以降は、登録上場会社等監査人に求められる体制について、その整備状況に加え、運用状況も確認していく局面となり、また、改訂品質管理基準等の適用や改正公認会計士法において求められる情報開示体制の整備といった新たな要求事項への対応も必要となります。
こうした直近の動向や過年度の改善勧告の状況を踏まえ、2024年度の品質管理レビューにおいて重点的に確認し指導する項目(重点的実施項目)を本方針において掲げています。なお、2024年度から、監査事務所の規模により異なる特性・課題が見受けられる領域については、大手監査法人、準大手監査法人及び中小監査事務所の区分に応じた重点的実施項目を設定しています。」(発表文より)
監査役等向けに「2024年度品質管理レビューにおける重点的実施項目」という資料も掲載されています。
この資料によると以下の事項が重点項目だそうです。
監査事務所
1.監査事務所のリスク評価プロセス
2.ガバナンス及びリーダーシップ
3.職業倫理及び独立性
4.監査契約の新規の締結
5.人的資源(専門要員の教育・訓練)
6.品質管理システムのモニタリング及び改善プロセス
7.監査ファイルの最終的な整理並びに監査調書の管理及び保存
監査業務
1.不正を含む重要な虚偽表示リスクの識別、評価及び対応
2.会計上の見積りの監査
上場会社等の監査を行う監査事務所の業務管理体制
1.監査証明業務を公正かつ的確に遂行するための体制
2.業務の品質の管理の状況等の評価及び公表
3.経営管理の状況等の公表
4.組織的な運営
5.品質管理システムの整備及び運用状況に関する重要な不備事項の要因の領域及び項目