会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

黒田副会長に聞く!(後編)

黒田副会長に聞く!(後編)

会計士協会のホームページで協会幹部へのインタビューがシリーズで出ていますが、この回は、実務補習が中心に取り上げられています。

実務補習のことを話すとなると当然試験制度や合格者の急増についてもふれることになります。

「平成14年の金融審議会の議論を経て新しい試験制度が構築されて、18年から運用されているわけですけれども、その一環で合格者が増えてきている。合格者3千人のバックグラウンドは、産業界の中にも多数の公認会計士が必要だ、そういうニーズがあるということで、今までのどちらかというと監査の専門家をはかるための試験というところから、新試験はいわゆる監査・会計その他の分野での会計専門家を育成する、あるいは試験としてはかるというふうに基本的なスタンスが変わってきているんですね。」

「特に14年の金融審議会の意見の大勢というのは、規制緩和ということと、産業界にもより多くの公認会計士をという、その二つがうまくマッチングしてしまった結果ですから、こういう流れになってはいるんですけれども、現実的には産業界により多くの公認会計士をといいながら、じゃどれだけの方々が活躍していますかというと、今、情報収集とかいろいろやっていますけれども、そう多くはないのがまだ日本の現状です。

アメリカのようなわけにはいきませんのでね。アメリカは30何万人というようなところで、その30何万人というのは、基本的にはみんな会計事務所をスルーしているわけです。みんな会計事務所をスルーしている。ところが日本の会計監査業界というのは、そこまで全部スルーさせるだけのキャパは今ないわけですよね。だから数だけバランスとって増やそうというのは、やっぱり無理があると思うんです。」

「会計事務所をスルーしている」というのは意味がよくわかりませんが、おそらく、会計事務所が大量に採用して、何年か経験を積ませたのち、一般企業や金融機関などに大量に専門的人材を供給するということなのでしょう。

たしかに日本の現状では、監査法人がそれほど大量に合格者を受け入れ教育する能力はありませんし、かりにそれが可能であったとしても、企業側は新卒者中心の採用ですから、スルーした人材に対する需要も多くありません。前の制度が完全だったわけではありませんが、今回の試験制度改正は日本の実情に合わないものだったのかもしれません。
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