会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

見直し決定の「四半期開示」、影の主役は関経連だった(ニュースイッチより)

見直し決定の「四半期開示」、影の主役は関経連だった

(関西財界へのよいしょ記事のようにも感じられますが)四半期開示見直しが進んだのは関西経済連合会の後押しがあったからだという記事。

2月までの状況は...

「2月に開かれた金融庁の作業部会。委員からは四半期開示の見直しに否定的な意見が相次いだ。特に金融商品取引法で定める四半期報告書の廃止に対しては「法定開示として維持すべきだ」との声が大半を占め、昨年10月の岸田首相誕生で、にわかに盛り上がった四半期開示見直しの機運は急速にしぼんだ。」

それに対して、関経連が積極的に運動したそうです。

「なぜ事態が動いたのか。財界、特に関経連の精力的な動きが奏功した。流れが大きく変わったのは3月15日朝に開かれた自民党の「金融調査会・企業会計に関する小委員会」。金融庁、投資家代表に加え、講師として参加したのが関経連の松本正義会長だ。関係者によれば、松本会長は「過度な株主偏重の経営は企業の中・長期的な成長を阻害する」との持論を展開。市場や投資家との対話を通じた企業価値向上や適切な情報開示は重要との前提を示しながらも、「短期的利益志向を助長しかねず、企業に多大な負担をかけ、かつ投資家などの活用度が低い四半期開示は義務付けを廃止すべきだ」と熱く訴え、多くの議員らの支持を取り付けたと言われている。」

その後も、四半期開示廃止を求める提言を公表したり、岸田首相と会談したりしたそうです。

「岸田首相と財界の強力タッグを前に、もともと開示制度見直しに後ろ向きであった金融庁も、「首相の指示ともなれば、白旗を上げざるを得ない」(同)。」

「劣勢の議論の中、松本会長の発信力や足しげく関係者を訪ね、見直しの機運を高めた関経連事務局など産業界による愚直な取り組みが今回の見直しに一役買ったのは確かだ。」

報道などによれば、結局、四半期短信への一本化により企業の負担軽減を図るということになったようです。

負担軽減が目的だとすれば、どこをどうすれば、効果的に負担軽減ができるのかという話になります。

10年ほど前の研究ですが...

四半期情報開示制度の評価と改善方向(経済産業研究所)

「最後に、四半期報告制度に対する企業、監査人、アナリストの意識や行動についてアンケート調査を通じて明らかにした。企業からの回答に見られたように、子会社・親会社の四半期個別財務諸表に基づくという原則的な財務情報作成プロセスを採用しており、それを極めて短期間の間に完成させている状況が存在する。この結果、四半期報告が制度化される以前に比べると、その作成プロセスに掛かる時間コストは倍増している。またこの倍増した時間コストの半分以上が、監査人対応となっていた。この相対的に大きなコストを前提にした、原則的な四半期連結財務諸表作成プロセスは、決算短信等における単体情報の開示による部分と、監査人の指導においても子会社の全てに個別財務諸表を作成することが要請されていることの双方に起因していると考えられる。」

四半期に関する研究をきちんとフォローしているわけではないので、この結論が今も当てはまるのかどうかはわかりませんが、四半期レビューは負担軽減のターゲットにはなるのでしょう。(四半期報告制度廃止なら、特に何もしなければ、自動的に四半期レビューも廃止ですが)

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