長野県建設業厚生年金基金という厚生年金基金からの脱退を認める判決が出たという記事。脱退を申し出ていた建設会社は、代議員会で脱退不承認とされていました。
「厚生年金保険法は脱退の条件として、脱退に伴う将来的な積立金不足を補てんする「特別掛金」の支払いや事業主と従業員の同意を列挙、基金側の承認議決は明記していない。だが実務では、加入社名を記載する規約の変更に当たるとして「脱退には一般的には議決が必要」(厚労省企業年金国民年金基金課)とされる。
訴訟で、原告の昌栄土建興業(同県原村、清水昌敏社長)は「法律の条件を満たせば、加入社の意思だけで自由に脱退が認められるべきだ」と主張。一方、基金側は「公的な性格を持つ基金の運営に支障を来す恐れがあり、脱退の制限は妥当」などと争っていた。」
脱退が認められるといっても、法律で定められている多額の手切れ金を支払わなければならないわけで、中小企業にとっては、簡単なことではなさそうです。先の読めていた多くの上場企業は、退職給付会計導入のころから代行返上を進めて、身軽になっています(もっとも、残っている純粋の企業年金部分だけでも重荷になっている状況ですが)。
この基金では多額の横領事件が発生しており、日経の25日の記事によれば、そのことも脱退が認められる「やむを得ない事由」とされたようです。
「長野県建設業厚生年金基金(372社、約6400人)は10年9月に約20億円の使途不明金が発覚。またAIJ投資顧問(東京都中央区)に預託した約65億円を失っている。」(毎日同上記事)
当サイトの関連記事(長野県建設業厚生年金基金での横領事件について)
[長野県] 23億円横領事件 実家の農機具に3000万円使う(FNN)(注:音声が出ます。)
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