体験談という形の広告。
体験者がもっとも熱を帯びて訴えた内容と、クライアントが訴えたい内容は異なる。
仕事としては、後者の方を優先して考えなければいけない。
でも個人的な興味・関心、共感は、前者にとても近い自分がいた。
いつの頃からか、そっちの方に関心が移り、
本来自分がしてきた仕事が面白く感じられなくなってきた。
私にこの仕事を依頼してきたのは、もともとは同様の仕事をしてきた仲間。
彼女は、10年以上、ずーっとその仕事をし続けてきた。
私は、この10年、そういったジャンルとは少し毛色の違う仕事もしてきて、
徐々に自分の興味・関心が移り変わってきているのを感じている。
目には見えないけれども、確実にある感じ方や思いのズレを、ものすごく敏感に感じてしまった。
海外取材の原稿を書くのもものすごい気が重いし、
今日の取材もいい原稿になる自信は正直あまりない。
普通にやればぜんぜん難しい原稿じゃない。
でも、今の自分には重荷で憂鬱で仕方ない。
「仕事」だから、
心の中で何を思っていようが、求められるものさえあげればいいのだろうけど、
私はそれじゃだめなのだ。
本当に興味関心のあることでないと、なんだかのれない。
ある時期まではのれる仕事ばかりしていた。
のれない仕事ばかりするようになって早7年が経つ。
わかっているけど、のれる仕事ばかりだったのは非常に幸運なことだった。
その頃も、よく実感していた。
自分は、こんなにやりたい仕事ばかりできて、それを読者に届けることができて、読者からその反応が返って来て、それを知ることができる。
自分は幸せだ、と心の中でいつも実感していた。
そんな日々から遠ざかって7年。
あれほどこだわってきた海外取材も、以前ほどの思いは薄れてきたように感じている自分がいて、今している仕事だって、別に特別やりたいと思っているわけでもない。
以前はものすごくあったはずの、できあがったものに対する喜びが感じられなくなってきた。
心の中で、もうここの仕事はこれで最後にしようか、
そんな声が聞こえてきてる。
少なからず、私の仕事をありがたいと思ってくれている人がいるかもしれないけど、自分が全然、まったく自分の仕事に満足できていない。納得できていない。
2年前に少し、やりがいが復活した時期もあったのだけど、
いろいろあってそれも今はない。
人は変わる。
環境も変わる。
自分も変わる。
それはごく自然なことかもしれないけれど―。
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