遠目では自動ドアに見えたドアが実はボタン式の自動ドアだった事により
一瞬戸惑った
ここで押さなければいつもの日常に戻るだけだ、が―
勢いで押してしまった、これは本能なのか?
献血所など閑散としたイメージしかなかったので中に入ると少し驚いた
待合室の様な椅子が14人掛程度が限界なほどの量しかないのに関わらず
今俺が入った瞬間人が5人も居たのだ
献血所というのは意外と人が来ているのか、それとも今日はたまたまなのか
それは始めてきた俺には分からない事だが
しかしどうして、今思えば全て20~30代の男性だった
2人組みが1つ、あとは全員一人できている様子だった
この2人組みに俺は一瞬ある想像をしたのだがそれはまあ置いておこう
とりあえずどうして良いのかわから無いのでカウンターのほうにソロソロと歩み寄る
笑顔が眩しい人たちが俺が初心者という事を即座に読み切り
「初めての方ですか?」
と言いながら俺をカウンターの前に縛り付ける
「えっと、そうです」
何となく緊張しながら喋る
「ではこの紙に個人情報を記入してください」
個人情報保護法は適用されないのか!
そして名前、住所、電話番号、郵便番号などなどを記入
「それではこちらの液晶パネルで14の質問に答えてください」
色々出てくる、どこか外国にいったか、今までかかった重い病気はなにかなどなど
全ての質問を終えると呼ぶまで待つように言われた
無料の自動販売機とお菓子が入ってる籠が幾つかある
俺は緑茶を選び無料ででてくる青丹色の水を取り
椅子に座る、一口のみどのお菓子を頬張るか考えていた時
「○○○・・・なおみさん。○○○、なおみさんいますか?」
またかよ、何度目だ
しかもなおみって言うの気づいてるだろうのに後で訂正しないって言う
こういう病院などで俺の名前を始めて文字で見た人の半分は「なおみ」って勘違いする
前も三重大で勘違いされたしその前も歯医者で・・・
そんな分かりづらいか?
というかどうして平仮名が読めない
「http://homepage2.nifty.com/juku-subaru/」
↑これの購買を強く求める
そして奥の部屋にエスコートされる
一人既に歯医者の椅子でよく見るあれに寝そべり献血をしている
右腕の内側、肘の少し奥側にある静脈か動脈かわからないがそこに
透明のチューブが繋がっていて献血マシンに繋がっている
献血マシンは恐らく血が凝固しないために常に円運動を続けていて
ずっと見ているとトンボのように堕ちてしまうかもしれない
そして俺はまず検査用の採血をする
俺が献血できる血を持っているかどうかを検査するのだ
検査用の採血は女の人がするらしく、その人は俺の血を少し抜き取る
注射というものは必然的に痛いものだ
と勘違いしていた俺はこの日、覆される事になる
(チクッ)
俺が今まで体感していた注射というものは持続的な痛みが基本だったのだが
その最初の痛みだけで、なんとあとは無痛なのだ
俺は注射をされている時は反対側の腕で太ももの外側をちみぎって
「痛みで痛みを消す」という矛盾の行為をしているのだが
そんなことする必要性が無かった
この人が世界中の注射を全て賄えばいい
そうすれば世界平和は約束されたものだ
注射の痛みのせいで核爆弾を落とす人間が永遠に消滅するのだ
そして
「今のでどれぐらい採血したんですか?」
と聞くと
「これで※☆mlですよ」
え?良く聞こえなかった
「50mlぐらいですか?」
と聞き返すと
「2mlですよ。びっくりさせちゃいました?(笑)」
(え・・・ええええええええええええ!?)
本採血は200mlと400mlがあって検査に通れば400mlの方をするらしく
これの200倍だと・・・!?
俺は今日干物になる宣告を受けた
そうこうして俺の血を怪しい最新技術で作られた機械に投入し
ガチャガチャとメカニカルな音が聞こえてくる
終わったらしく、出てきた数値が基準値を超えていないか
もしくは下回っていないかをチェックしていると
「血小板☆※◎□☆※◎□だね」
さっきからそうなのだがマスクをしていて、しかも周りがあまり静ではないので結構聞き取りづらい
「こちらの部屋に入ってください」
と言われた
そうすると先生が座っていて後ろからさっきの人が書類を先生に渡しながら
「血小板☆※◎□☆※◎□」
また良く聞こえない
が
ふと机の上を見ると
『献血を受けれなかった人へ』
という書籍を見つけた
疑惑と疑心暗鬼の世界が両開きになっていた
どくん・・・・・・どくん・・・・・・
「えっとですね、単刀直入に言うと申し訳ないのですが今回は資格がないです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
別に俺は偽善的な理由でここに入ったわけじゃなく、なんとなくだったんだ
だけど無理と言われた時は確実にショックだった
ただ、病気とか何かが足りないとかじゃなくて
血小板の数値が50を超えるとダメらしくて俺の数値は51.4だった
人より少し血が固まりやすいらしい
ただ、聞いたところによると動脈硬化とかそういうのとはまた別らしいので安心した
だが今までの人生で一番静かなショックを受けた
俺はこんな事ですら人を助けることができないのか・・・
後はなんとなく話を聞いてこの付録の様な薄い本を渡されて、献血所を後にする
まあ、しょうがないものはしょうがないのでこれ以上気を落とすのは止める
ゲーマーズのでかい真っ黒なビニール袋を持ち東山線から降りて名古屋駅に到着する
この道は既視感とかそういう生易しいレベルじゃない
俺は確かにここを何百回と平日は通った
俺の学校は夏休みですら2週間、春と冬は1週間しかなかった
俺は今家に帰ろうとしている、なのにどうしてか足が学校の方向に向かってしまった
(おっと)
気づいたのが早かったのでなんとか逆走はしなくてすんだが
なんというか、帰巣本能に近いものがあった
2年間ここで一人暮らしして、そこの大家さんがすげー良い人で
もう二度と会えないんだなぁという思いに少しふけって
特に何事も無く近鉄乗り場に行きそのまま原付が置いてある駅まで
まだチャンスが無くなったわけじゃないので
血小板が少なくなる様な食事とか、そういうの調べてみようかな
と心の中で少しだけ思ったのであった
後日献血カードなるものが届くらしい、あとついでに血液からわかる病気の検査もしてもらったので
その結果も一緒に来るらしい
一瞬戸惑った
ここで押さなければいつもの日常に戻るだけだ、が―
勢いで押してしまった、これは本能なのか?
献血所など閑散としたイメージしかなかったので中に入ると少し驚いた
待合室の様な椅子が14人掛程度が限界なほどの量しかないのに関わらず
今俺が入った瞬間人が5人も居たのだ
献血所というのは意外と人が来ているのか、それとも今日はたまたまなのか
それは始めてきた俺には分からない事だが
しかしどうして、今思えば全て20~30代の男性だった
2人組みが1つ、あとは全員一人できている様子だった
この2人組みに俺は一瞬ある想像をしたのだがそれはまあ置いておこう
とりあえずどうして良いのかわから無いのでカウンターのほうにソロソロと歩み寄る
笑顔が眩しい人たちが俺が初心者という事を即座に読み切り
「初めての方ですか?」
と言いながら俺をカウンターの前に縛り付ける
「えっと、そうです」
何となく緊張しながら喋る
「ではこの紙に個人情報を記入してください」
個人情報保護法は適用されないのか!
そして名前、住所、電話番号、郵便番号などなどを記入
「それではこちらの液晶パネルで14の質問に答えてください」
色々出てくる、どこか外国にいったか、今までかかった重い病気はなにかなどなど
全ての質問を終えると呼ぶまで待つように言われた
無料の自動販売機とお菓子が入ってる籠が幾つかある
俺は緑茶を選び無料ででてくる青丹色の水を取り
椅子に座る、一口のみどのお菓子を頬張るか考えていた時
「○○○・・・なおみさん。○○○、なおみさんいますか?」
またかよ、何度目だ
しかもなおみって言うの気づいてるだろうのに後で訂正しないって言う
こういう病院などで俺の名前を始めて文字で見た人の半分は「なおみ」って勘違いする
前も三重大で勘違いされたしその前も歯医者で・・・
そんな分かりづらいか?
というかどうして平仮名が読めない
「http://homepage2.nifty.com/juku-subaru/」
↑これの購買を強く求める
そして奥の部屋にエスコートされる
一人既に歯医者の椅子でよく見るあれに寝そべり献血をしている
右腕の内側、肘の少し奥側にある静脈か動脈かわからないがそこに
透明のチューブが繋がっていて献血マシンに繋がっている
献血マシンは恐らく血が凝固しないために常に円運動を続けていて
ずっと見ているとトンボのように堕ちてしまうかもしれない
そして俺はまず検査用の採血をする
俺が献血できる血を持っているかどうかを検査するのだ
検査用の採血は女の人がするらしく、その人は俺の血を少し抜き取る
注射というものは必然的に痛いものだ
と勘違いしていた俺はこの日、覆される事になる
(チクッ)
俺が今まで体感していた注射というものは持続的な痛みが基本だったのだが
その最初の痛みだけで、なんとあとは無痛なのだ
俺は注射をされている時は反対側の腕で太ももの外側をちみぎって
「痛みで痛みを消す」という矛盾の行為をしているのだが
そんなことする必要性が無かった
この人が世界中の注射を全て賄えばいい
そうすれば世界平和は約束されたものだ
注射の痛みのせいで核爆弾を落とす人間が永遠に消滅するのだ
そして
「今のでどれぐらい採血したんですか?」
と聞くと
「これで※☆mlですよ」
え?良く聞こえなかった
「50mlぐらいですか?」
と聞き返すと
「2mlですよ。びっくりさせちゃいました?(笑)」
(え・・・ええええええええええええ!?)
本採血は200mlと400mlがあって検査に通れば400mlの方をするらしく
これの200倍だと・・・!?
俺は今日干物になる宣告を受けた
そうこうして俺の血を怪しい最新技術で作られた機械に投入し
ガチャガチャとメカニカルな音が聞こえてくる
終わったらしく、出てきた数値が基準値を超えていないか
もしくは下回っていないかをチェックしていると
「血小板☆※◎□☆※◎□だね」
さっきからそうなのだがマスクをしていて、しかも周りがあまり静ではないので結構聞き取りづらい
「こちらの部屋に入ってください」
と言われた
そうすると先生が座っていて後ろからさっきの人が書類を先生に渡しながら
「血小板☆※◎□☆※◎□」
また良く聞こえない
が
ふと机の上を見ると
『献血を受けれなかった人へ』
という書籍を見つけた
疑惑と疑心暗鬼の世界が両開きになっていた
どくん・・・・・・どくん・・・・・・
「えっとですね、単刀直入に言うと申し訳ないのですが今回は資格がないです」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
別に俺は偽善的な理由でここに入ったわけじゃなく、なんとなくだったんだ
だけど無理と言われた時は確実にショックだった
ただ、病気とか何かが足りないとかじゃなくて
血小板の数値が50を超えるとダメらしくて俺の数値は51.4だった
人より少し血が固まりやすいらしい
ただ、聞いたところによると動脈硬化とかそういうのとはまた別らしいので安心した
だが今までの人生で一番静かなショックを受けた
俺はこんな事ですら人を助けることができないのか・・・
後はなんとなく話を聞いてこの付録の様な薄い本を渡されて、献血所を後にする
まあ、しょうがないものはしょうがないのでこれ以上気を落とすのは止める
ゲーマーズのでかい真っ黒なビニール袋を持ち東山線から降りて名古屋駅に到着する
この道は既視感とかそういう生易しいレベルじゃない
俺は確かにここを何百回と平日は通った
俺の学校は夏休みですら2週間、春と冬は1週間しかなかった
俺は今家に帰ろうとしている、なのにどうしてか足が学校の方向に向かってしまった
(おっと)
気づいたのが早かったのでなんとか逆走はしなくてすんだが
なんというか、帰巣本能に近いものがあった
2年間ここで一人暮らしして、そこの大家さんがすげー良い人で
もう二度と会えないんだなぁという思いに少しふけって
特に何事も無く近鉄乗り場に行きそのまま原付が置いてある駅まで
まだチャンスが無くなったわけじゃないので
血小板が少なくなる様な食事とか、そういうの調べてみようかな
と心の中で少しだけ思ったのであった
後日献血カードなるものが届くらしい、あとついでに血液からわかる病気の検査もしてもらったので
その結果も一緒に来るらしい