「幸せは未来にあるとして、今をそのための通過点にしてはいけない」と聞いた時、私の思考は、存在しない過去に読んだ童話の「アリとキリギリス」をかき集めてきた。
親からも「キリギリスはダメよ。今より先のことを考えるの。今ガマンすれば将来ラクできるのよ」と教育された記憶の断片と一緒に。
確かに「今を、未来の幸せのための目をつむって耐えなければいけない通過点としたアリが、結果とても幸せになって、今を楽しんでいたキリギリスがその先不幸になった」と記憶していた物語は、一瞬私を惑わせた。
が、私はブン投げるのはもっと速いのだ😆
というわけで幻のワタシ記憶のそれは、もう上書きされている。
キリギリスは寒さや飢えで不幸を感じたのではなく、過去話をかき集めて鳴りやまない思考の声に、自分を責めて苦しんだのだ。
アリが存在しない未来のために、今を「ガマンする通過点」として働いたのなら、間違いなく病んでまうわ。
実際は、アリもキリギりスも今に在って、両方とも生き生きと生命を躍動させているに違いない。
人間だけがそれに気づいておらず、ヘンな解釈をしているだけで。