時事ネタの見方が変わってきた。
内容も興味なくはないんだけど、それを見た時の自分の反応を見る方が面白い。
今までは、何しろカオスな時代なので、頭に来たり、呆れたり、ショックを受けたり、ざまーと思ったりしていたんだけど、「ただそのまま見る」ようになった。
「見る」というか、「そう見えるようになった」と言った方が近い。
と言っても決してサイコパスになったわけじゃなくて、血も涙も生き生きと脈打ちながら、一方でなぜか拳をふり上げたりするテンションが起こらない。
しっかりと見て、状況も明瞭に理解して、現実をしかと受け入れているんだけど、薄くなったワタシは日に日に無口になっていき、……………と黙っている。
教室で先生に当てられて「どう思いますか?」と訊かれて、クラスメイトも注目して何か言うのを待っているのに、どうやっても何も出てこず、黙るしかない感じ。
今まで色を変えて3パターンぐらい得意になって書けた読書感想文が、一字も浮かばなくなった感じ。
でも心が冷たくなったわけじゃない、この感じ。
恋が冷めたように嫌になったわけじゃない、この感じ。
努力して意識してこうやってるんじゃなくて勝手に変わった、この感じ。
その一方で、今まで体験したことのないこの不思議を、強い好奇心をもって、書かずにいられない私は何も変わっていないんだよね。