本日、8回目で、サタケ先生の授業は最終回です。
授業前の教室では、今日も生徒の皆さんが熱心に、サタケ先生からアドバイスをもらっています。
今日のお話のテーマは、“良い絵とは?” 一体どんな絵でしょう?
広告として使われるような商業的効果の高い絵、取説などの情報として生活に不可欠な絵、
人の心を動かす絵、自己表現としての絵 …
自分が絵を描く、描きたいと思う理由、目的は何でしょう? いま一度考えてみてください。
サタケ先生も、最初は自己表現であり、人の心を動かしてこそ良い絵なんだと思っていました。
ですが、インパクト重視で肝心の中身が伴わず、表面的であることに気づきます。
今までの絵は、自分の中のモヤモヤだったのかも … と。
それがいけないというわけではなく、実際に人の絵を見て感動することも、もちろん多くあります。
でもサタケ先生の場合は、自己表現よりも誰かの要望に応えたりすることの方が向いている、ということに気づき、
それから、描く絵一つひとつに目的が生まれ、明確に絵を仕事にしたいと思ったそうです。
その後、
サタケ先生が仕事にするために意識して変えてきたことが4つあります。
①自分のスタイルや個性を見て! という主張から、目的に合わせた表現へ。
目立つことが仕事に繋がるわけでは無く、むしろ逆効果であると気づき、
“仕事の絵は、作品ではなくあくまでも商品” と、過度な個性は封印したことで、
その結果仕事の幅が広がり、クライアントの数が増えました。
②表現方法を、依頼に合わせて柔軟に変化させ、引き出しを増やすこと。
色数やタッチを変える、キャラ風にデフォルメなど、同じ絵でも媒体によって、見せ方や表現方法で描き方を変えます。
“色んな提案をしてくれそう、と思われるように、バリエーションを増やした” 結果、
さまざまな案件に対応できるようになり、仕事の相談件数が増え、リピート率も上がりました。
③顧客の先にいる、真のターゲットを意識すること。
商品を手に取るのは子どもでも、それを選ぶのは親ということを意識しました。
“本当に届けたいターゲットは誰か?をより意識” することで、
可愛い雰囲気のオーダーであっても、可愛くなり過ぎないように気をつけて、大人にも受け入れられる仕上がりにします。
④どんな仕事でもやりますと言うスタンスから、私はこんな仕事がしたい! と声に出して言うことへシフト。
SNS、ポートフォリオなどで、ことある毎に好きなこと、関わりたいことを口にしていきます。
“私はこんな仕事がしたい!が常に伝わるようにした”
ターゲットを意識して、したいことをアピールしましょう。どこでどう繋がるか本当にわかりません。
この4つを意識することで、絵を仕事にするという目的を実現していきました。
リピートされ、先に繋がる仕事をしていく、そのための “いい絵” に必要な考え方を、ここまで話してきました。
では、自分がどういう風にして良い絵を描いていくのか、
絵の上達に必要なことについて、4つ。
①引き出しを増やすためのヒント。
②暮らしの中で、自分の目で見て心を動かすこと。
③いつもの絵の変化のさせ方。
④描くことの習慣化のコツなど。
気負いなく今すぐに始められることや心構えを、サタケ先生の経験や仕事を例に、教えてもらいました。
最後に、イラストレーターに必要な力は何でしょう。
画力の高さ? 時代に合ってる? コミュニケーション力?
いろんな定義はありますが、
職業イラストレーターに求められるのはバランスです。
クライアントに伝えたいことを、簡潔によりよい表現を導き出して描けること、
必要に応じて緩急、メリハリがつけられること、なおかつ好感が持てるもの …
画力は継続する事で上達していくし、個性も自然と出てくるものなので、焦らなくても大丈夫です。
後は、独自の視点を持つこと。それを絵に込められるかで、差別化されます。
何を見て、何を選び、何をして過ごして行くのか、授業はここでお終いですが、ここからが本当のスタートです。
「これからも力になりますので、ぜひ頑張ってください! 」と、サタケ先生からの熱いエールをいただきました。
その後は皆さん休憩時間も惜しんで、サタケ先生の元へ駆けより、質問していますね。本当に、熱心です!
それでは後半は、皆さんに持って来てもらった絵を、一人ずつ見ていきましょう。
LINEスタンプは作っていて大変だけど面白いですね。自分らしさも出ていて可愛いです。文化の違いの描き分けは、海外案件にも繋がります。
やはり、目で見て描いた絵は唯一無二ですね。大きく見せられるのも、アナログの良さです、キャンバス映えしますね。
おじさんを、こんな風に描けるのは武器ですよ、この最小限の線の量がベスト!ちゃんと似ているところも良いですね。
等々、他にもたくさんの作品がありました。今日見た絵、お互いの成長をここから見ていきましょう。
ここでのこの出会いを大切に、これからも、ここから一緒に …!!! ありがとうございました。
サタケ先生の授業がお終いで、どことなく寂しげだった生徒さんたちも、
先生や仲間との絆ができたことで、良い表情で今日の授業を終えました。
サタケ先生、お疲れ様でした。本当にたくさんのことを学ばせていただき、ありがとうございました。
生徒の皆さん、これから夢に向かって頑張ってくださいね!