絵話塾だより

Gallery Vieが主宰する絵話塾の授業等についてのお知らせです。在校生・卒業生・授業に興味のある方は要チェック!

2022年7月2日(土)文章たっぷりコース・14回目の授業内容/高科正信先生

2022-07-08 16:58:30 | 文章たっぷりコース
高科先生はつい最近、55cmのハマチを釣り上げたそうです。
が、喜んでばかりはいられないらしく、温暖化の影響で釣れる魚の種類も変わってきているのだとか。
通常は和歌山あたりで釣れるシイラを、先生の地元・塩屋の釣り仲間が見かけたそうです。
今年は梅雨明けが早いので、セミが鳴き始めるのも早くなるかも
セミといえば、羽化してからの寿命は一週間程度と言われていましたが、高校生が実際にフィールドワークを行なった結果
種類によっては同じ個体が1ヶ月近く生息していることを立証したとか。(2016年の夏休みに調査、2019年に発表)
若くても、経験がなくても、疑問に思ったことを自分で調べて、納得できる事実を発見するのはすごいことです。



さて、今回のテキスト(『日本語の<書き>方』(森山卓郎 著・岩波ジュニア新書))は
8章 心を伝える —— 手紙文 のところを見ていきました。(P197〜213)
1. 手紙での表現上の気配りということ
・意外によく使う「こととなりました」型表現
・ 「次第です」表現
・ 手紙で重要な可能表現 —— 自分のことを報告する場合や断る場合
・ お互いの手紙と「つきましては」
・ 婉曲な表現
2. お礼やお詫びの言葉
・ お礼の手紙の言葉
・ お詫びの表現
・ 言い訳の言い方としての「とはいえ」
3. 敬語に注意
・ 丁寧な言葉
・ 尊敬語と謙譲語
・ 人の表し方にも注意


普段生活していく中で、お礼やお詫びの手紙を書く機会は結構多いです。
ですから、今回見ていった箇所は非常に役に立つところです。
けれども、あまりにも「相手によく思われる/思わせる」ためのテクニックが具体的に書かれていたので
読みながら皆で笑ってしまいました。
相手に自分の気持ちを伝えるというのは、なかなか難しいことです。
相手との関係性によって言葉遣いも変わりますし、会話と手紙(文章)でも違います。
過不足なく、伝えたいことが伝わるように、自分の中で約束事を決めることも大切かもしれません。
参考として、高科先生のところに来た仕事の依頼文をみんなで読んで、ディスカッションを行いました。
受け取った側に見透かされてしまわないよう、誠意を込めて書くようにしましょう。

休憩の後は、灰谷健次郎の『せんせいけらいになれ』から
「ほねくん、きみはぼくの足があるとおもって のびてくれるんだね」の箇所を読んでいきました。
事故で足を切断した男の子が書いた詩をまとめているのですが、
大変な状況なのに、周囲は彼の本来持っている楽天性に救われるという内容でした。

その後、偕成社から1982〜84年の3年間だけ出版された
『児童文学アニュアル』から、1983年に掲載された高科先生の文章を見ていきました。
先生が小学校の教師をしておられた時に受け持っていた男の子のことを書いた
「ろくべえ穴」という文章です。




この本は、一年間に出版された子どもの本と、その年に起こった教育現場のできごとをまとめるべく
今江祥智や河合隼雄など、名だたる編集委員のもと編纂された豪華本です。



そして、高科先生が引用しておられた『ろくべえまってろよ』(灰谷健次郎・著/長新太・絵/文研出版)を読み聞かせてくださいました。



いぬのろくべえが落ちた穴は、実は灰谷健次郎さんが落ち込んだ教育現場における絶望で、
17年間勤務した教師を辞めた後で、世界を放浪した灰谷さんが、
各地で過酷な生を強いられて生きる人たちや、子どもたちの在り様を目にすることで
深くて暗い穴から救われた経験があるのだそうです。

こどもたちが協力して、愛犬を穴から救い出す可愛らしいお話の中に
そんな深い意味が潜んでいるなんて、どこかとぼけた長さんの絵を見るだけでは分かりませんが
高科先生を救ってくれる存在の少年が、『ろくべえまってろよ』を読んでいる写真を見ると
この絵本に救われた教育者が大勢いるのだろうなと、想像できる気がします。



それから前回の課題の返却があり、最後は今回の課題についてです。
今回は「大学をやめてでも老いた愛犬と一緒に過ごしたい」という20代女性の悩みに答えるというのものです。
書き方や文字数も自由で、優しく寄り添う答えでも、厳しく突き放す答えでもかまいません。
彼女の決意を強くするか、思い直させることができるか、さて!?
" 心に届くメッセージ " を書いてみてくださいね。

よろしくお願いいたします。















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2022年7月6日(水)絵本わくわくコース・はやしますみ先生の授業内容

2022-07-07 16:41:49 | 絵本わくわく塾
本日のはやしますみ先生の授業は、ダミー本発表の最後の授業です。

今まで2回のダミー発表をしました。
本日は、はやし先生や皆さんのアドバイスを参考にして、完成させたものを発表していきます。
最後の発表ですので、いつものメッセージカードはなしで、はやし先生が感想を述べていきます。

では発表を始めましょう。



皆さん、前回のダミー本からブラッシュアップして、とても良くなっています。
3日間ほぼ徹夜して完成させた方もいました。
製本もされてきた方もいて、皆さんの頑張りが嬉しいです。

 




1回目のダミー本体・2回目のダミー本・3回目のダミー本


ダミー本の発表の後に、一人ずつ感想を述べていきました。

「4回の授業で気づいたこと・頑張ったこと・楽しんだところ」
「他の人の作り方、特に「直し方」 感心したところ、学んだところ」
「好きな作品」



・自分の個性って何だろうって気付かされた。
・他の人の作品が、どんどん完成されていったことに刺激を受けた。
・やりたいことにフォーカスし、削ぎ落とすことが大事。
・自分一人だったら出来なかった。
 聞いてくれる皆んながいたから頑張られた。
・皆さんの作品を見て、構図など学ぶことが沢山あった。

「一人ではなく、みんながいたので完成できた」と皆さんがおっしゃっていました。

最後は全員で集合写真を撮りました。






絵本とイラストを学べる「絵話塾」からのお知らせです。

7月の絵話塾のガイダンスを下記の日程で行います。

各回5名で興味のある方は、ギャラリーVie絵話塾までお問い合せください。

皆さん待っています!

7月 9日(土)…11:00~
  16日(土)…11:00~
  23日(土)…11:00~
  24日(日)…14:00~と17:00~の2回
  30日(土)…11:00~
  31日(日)…14:00~と17:00~の2回

よろしくお願いいたします。


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〒650-0022
神戸市中央区元町通3-2-15セントラルビル元町5F
ギャラリーVie 絵話塾 村上政行
mail:kaiwajuku@galleryvie.jp
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fax.078-332-5807
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2022年7月3日(日)絵本ゆっくりコース・飯野和好先生の授業内容

2022-07-07 16:06:27 | 絵本ゆっくり塾
本日の飯野和好先生の授業は3時間の授業です。久しぶりにお越しいただきました。

和服姿にカンカラ三味線を手に登場されました!
べべン ベン ベン さぁ、これより授業の始まり、始まり~



飯野先生が手にされているカンカラ三味線は、沖縄のものです。
第二次世界大戦後の沖縄で少ない物資の中、米軍の配給の缶詰めを使って作られたのが最初だそうです。
楽器があると、読み聞かせの時にリズムを出しやすいです。
皆さんも自分の絵に合った楽器で演奏しながら、読み聞かせするのも良いですよ。

飯野先生は、初めから絵本作家として活動していたのではなく、
イラストレーターとして始められたそうです。
堀内誠一さんに売り込みに行って、面白いと気に入られ『詩とメルヘン』や『ユリイカ』でイラストが使われるようになっていったそうです。
その当時(70年代)のスズキコージさんとのお話もお聞きしました。


では、ダミーの講評をしていきましょう。
飯野先生が皆さんのダミー本を読んでくださいます。
鋭く面白く、本当にこれで良いの?と突っ込みを入れてくださいます。
それは読者の側が気になるところでもあります。

 

・ファンタジーのお話は、リアリズムがないとダメです。
 物語を考える時にはリアルさが大事です。

・間違っているところは、子どもは見逃しません。
 「それ、おかしいよ」って突っ込まれます。

・起承転結にこだわることはないけれど、オチは大事です。
 自分で読んで、第三者になって突っ込んでみる。
 
・読者の思いを裏切る展開がいい。

それぞれのダミー本にアドバイスをいただきました。

最後も、カンカラ三味線を弾きながら、これにて終わり!
あっ…という間の三時間授業。
飯野先生、ありがとうございました!



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