税務申告書Form 5472、完全な名称は外国株主に議決権株式の25%を保有されている米国会社又は米国で貿易若しくは事業に従事する外国株式会社の情報申告書(納税申告書ではなく)です。本稿では、Form 5472を提出する株式会社の種類、申告目的、申告すべき取引、提出の対象者、4つの例外パターンやForm 5472で開示必要な情報について簡単に説明します。
Form 5472によると、下記の2種類の株式会社には申告義務があります。
- 米国国内で貿易又は事業に従事する外国の株式会社。
- 外国株主に議決権株式の25%を保有している米国株式会社(外国人に所有されている米国ディスリガード事業体(disregarded entity)を含む)。
内国歳入庁(IRS)から条件に該当する株式会社がForm 5472を提出することを要求されています。目的は下記の2つになります。
- 6038Aおよび6038Cの規定により、課税年度中、申告の必要がる株式会社が米国もしくは米国以外の国の関連当事者と取引する場合、当該会社はForm 5472で取引に関する情報を報告しなければなりません。
- Form 5472の中に記入された会社関係情報に基づいて、内国歳入庁は、申告義務がある会社が米国もしくは米国以外の国の関連当事者との取引情報を把握・追跡でき、外国人に米国の税法を守らせ、法律通りに申告・納税させることが保証できます。
内国歳入庁は、申告義務がある取引は下記の3つとなります。
- 申告の必要がある株式会社は外国人に所有されている米国ディスリガード事業体で、且つ1.482-1(i)(7)の規定通り、Form 5472のパートIVに取引の情報を何も入力していない場合、当該株式会社はForm 5472のパートVにチェックを入れなければなりません。それらの取引には、当該会社の設立、解散、および買収にかかわった支払われた金額もしくは受け取った金額が含まれています。
- Form 5472のパートIVに記載されている取引とは、売上高、賃貸料、手数料等のような株式会社が米国以外の国の関連当事者との金銭上の取引です。これらの金銭的な報酬は当該株式会社が課税年度中に受け取ったもしくは支払った唯一の報酬です。
- Form 5472 のパートIVに記載されている(複数の)取引はについては、支払ったもしくは受け取った報酬は取引全額より少ない、又は支払ったもしくは受け取った報酬は金銭ではありません。
申告義務のある株式会社が持分の25%を保有している外国または米国の関連当事者と取引を行う場合、当該株式会社はForm 5472 を提出する必要があります。しかし、下記の4つのいずれかに該当する場合、Form 5472は提出する必要がなくなります。
- 申告義務のある株式会社は外国株式会社で、且つ第883条規定に基づき総所得が課税免除対象です。さらに当該株式会社は、第883条および第887条の申告要件を即時かつ完全に遵守することができます。
- 申告義務のある株式会社及びその関連当事者はどちらも、第7701(a)(30)に規定された米国人ではなく、且つ取引はどの課税年度にも発生しません。
- 申告義務のある株式会社は、Form 5472のパートVI およびIVに記載されている取引を行っていません。当該株式会社は外国人に所有されている米国ディスリガード事業体なら、Form 5472のパートVに記載されている取引のタイプを行っていません。
- 適用された所得税条約に基づき、外国株式会社は米国国内に恒久的施設を置かない、且つ規定期限内にForm8833 を提出できます。
Form 5472により、主に下記の5つの基本情報を開示しなければなりません。
- 会社名、米国連邦雇用者識別番号、会社の住所、会社の設立日、会社の事業活動のタイプ、会社の総資産など、申告義務のある株式会社の基本情報。
- 氏名、住所、国籍など、持分の25%を保有している外国株主の基本情報。
- 名称、所在地、事業活動の種類、事業活動を行う主な国など、関連当事者の基本情報。
- 受領した手数料・賃料・利息・ロイヤリティ収入や支払った在庫購入代・家賃・利息費・ロイヤリティ代等、申告対象になる取引の種類と金額(適用される場合)。
- 追加情報についての回答。申告義務のある株式会社は「はい又はいいえ」のところにチェックを入れる形で追加情報の中に含まれている質問に回答しなければなりません。
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