隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

ワタシにだってドラマが…?

2009年02月26日 16時12分36秒 | プチエッセイ
■カギのかからない更衣室
 こういうところに自分の読んだ本や好きな作家のことを書くって、なかなかできないのはなぜなんだろう。音楽だったら別にためらうこともないのに。
 そう、カギのかからない更衣室で着替えをしているような、なんか不安定な感じ…かな。ヌードを見られるとか、そこまではいかないんだけれど。
 FBIをおちょくっためっぽうおもしろいハードボイルドで、なんでこれがハリウッドで映画化されない?という本や、ダラダラ長いだけの小説だと文句たらたらだったのに最後の一文でやられちゃった本とか、10代で出会ってそれから何回も救われている本とか、いろいろ逸話は人並みにはあるけれど。
 「おもしろかったよ~」とすすめられて、ほんとうに読んでよかったなと思える本には出会ったためしがない? そんな気がする(だからすすめられた本は90%読まない)。きっと私がすすめた本も誰かを失望させているんだろうなと思う。
 
■たまには泣くのも 
 そんななかで、昔、重松清の「ナイフ」を読んで、あ、これはあの子にきっと合うと思って、ある若者にすすめたことがある。例外的に彼は結構感動してくれたみたいで、ときどき重松清の本を私に推薦してくれるようになった。
 その若者が旅先で3冊読んだからと言って、貸してくれたのだ。ということは感想を語りたいというわけだな、と。そういうやつなんだ。
 今猛烈に読みたい本がなかったので、通勤の車中で読み始めたのはいいけど、これが例によって泣ける…。
 さりげなく進んでいくのだけれど、ある一行でヤラレてしまう。それが最後の一行だったりすると、悔しさ半分ありつつ、しばらく顔を上げられなくなる。もー、朝からっ!
 部屋で一人で号泣するのもいいけれど、人の目を気にしながらぐっとこらえるのもなかなか。カタルシスってやつですか? 今みたいに心も体もささくれだってしまうくらい時間に追われていると、こういう涙がさりげなく救ってくれるような、そんな感じなのかもしれない。
 たまには泣くのも悪くない。

■ドラマ 
 なんでもできる人や、美人で賢い人や、才能あふれる人にはドラマがつきもの…、そんなふうについつい思いがちだし、それも真実かもしれないけど、でもそんなもんでもない、ということを教えてくれる作品だな、いつも。
 神様みたいな存在が上から見ていたら、きっとおもしろいだろう。さえない子がさえないからこそ味わう深い思い。そこにはほかの人には得られないようなかすかな光のドラマがあるのだと思う。
 ようするに、気づくか気づかないか、ということなのだろう、自分のドラマに、そのドラマの始まりに。「私たちにはきっと誰にも…」、そういうちょっと甘ったるいけど、でも手に入れたら強力な優しい武器になるぞ!というようなものを見せてくれるんだな、この作家は。

■「一人」を生きられる人
 「会えなくても寂しいと思わないのが友だちだと思う」
 うーん、なかなか深くはないですか?
 大切な人がいたとしても、ちゃんと「一人」を生きられる人。
 こんな年齢になっても、改めてうなずける言葉に出会えるのはうれしい。群れてばかりいたら見られないものが、自分のまわりにどれだけあるのだろう。
 「きみの友だち」の恵美ちゃん、あなたはメチャクチャかっこいい。



 全然関係ないのですが、RO69のブログで、兵庫氏がスピッツの「名前をつけてやる」を語っています。相変わらず、ちょっとうるさい文章ですが(笑)。
 よかったら、コチラから。

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