隠れ家-かけらの世界-

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桑田真澄(ジャイアンツ)選手の美学?

2006年09月24日 23時51分59秒 | プチエッセイ
■「友よ」と語りかけた桑田
 9月23日のジャイアンツのHP内の自分のコーナーで、桑田真澄投手が今季限りでジャイアンツのユニホームを脱ぐという意志を表明した。
 「友よ」というタイトルのファンに向けてのメッセージは、シンプルだけれどなかなか読ませる文章です。
 球団には長い間世話になって本当に感謝している、とことわったうえで、「明日、ジャイアンツのユニホームでマウンドに立つのは、おそらく最後になるだろう」と書いている。
 その後のインタビュー記事を読むと、さらに二軍では、日程的に再度の登板が難しいため、「最後(の登板)になるだろうと思って、ファンのみなさんに伝える義務があると思った」という意図があったことがわかる。
 クビの捻挫は完治していたけど、「(1軍から)呼ばれていないということは、力を求められていないこと」と判断し、今後はメジャーも視野に入れて行き先を決めたいと言う。つまり「引退」を決意したわけではないということだ。

■引き際って、けっこう難しいよね
 賛賛否両論あるだろう。
 ピークを過ぎたアスリートの身の処し方は、ある意味ととても難しい。野球選手の場合なら、本人の意志以外に、球団の意向もファンの気持ちもある。新庄やかつての江川のように余力を残してあっさり(でもないだろうけど)引退するのがかっこよく見えるときもあるし、可能性が少しでもあるなら現役を続けていきたいと必死で努力する姿が美しく見えるときもある。
 桑田は、後者の道を選ぶのだろうか。もちろんそのためには彼の残された能力を認めてくれる受け皿となる球団があることが必須条件だけど。『スポーツ報知』の記事には、「私の一存では決められないが」と言いつつ、楽天野村監督が「彼のプロ魂はすごい。ああいう姿を身近で見れば、若手選手のいいお手本にはなるだろう」というようなことを言って、獲得に関心を示したと書いてあった。

■野球オンチだった母を変えた高校球児だった桑田君
 野球は好きだけど、特に桑田が好きとか、そういうわけではない(いつか私の野球遍歴?をまとめておかなくちゃ。笑)。
 ただ、今はご多分にもれず韓国ドラマに夢中の(かなり重症)母が、高校野球でKKコンビ(ちなみにKKコンビとは、当時のPL学園の清原・桑田のことです。知ってる?)にはまって以来、ジャイアンツ+桑田の大ファン。野球好きな父がいくら説明しても野球オンチだった母が、それ以来すっかり変身し、今ではジャイアンツの選手のことなら若手からベテランまで熟知している…、それって、すごいでしょ?
 長期入院の間も野球中継が彼女を支えてくれたし、娘の私が訪れてもテレビで野球観戦中は人の話にも上の空ってこともあるくらい。

■桑田らしいラストを!
 そういう縁で、桑田のHPをちょっと感慨深く読んだというわけです。
 まだ、「長い間ご苦労さま」と言う時期ではなく、もうしばらくがんばって200勝を目指したいという彼の意志を、きっとファンは喜んでいるだろう。いや、ひょっとすると、もうここらへんでいいのでは? 醜態をさらすことになっては惨めだし、と気遣っているファンもいるかもしれない。
 そのどちらが適切なのかはわからないけど、私としては、あんなふうにシンプルな言葉で自分の去就についての意志をまず最初にファンに告げたのは、いつも冷静で知的なイメージの彼にふさわしかったように思います。

 あなたの意志が通じて、新しい場で新しいシーズンを迎えられることを祈っています。

 追記:
 今、「スポルト」見ました。ジャイアンツ球場史上最多の観客数だったとか。少年ファンが多かったのが印象的だったな。
 桑田はいつもと変わらぬ優しそうな笑顔で、肩に力が入るでもなく…、というようすでした。予定の2倍以上の7回まで投げて、最後は打たれてしまったけど。
 彼の意向で行われたファンとの握手会は1時間にも及んだそうです。
 「どちらにしてもジャイアンツで投げるのが最後になるのなら、そのことをファンに伝えなくてはならないと思ったんです」と語っているとき、とても優しい表情をしていました。
 大きな球場でのセレモニー+花束贈呈付きの最後もいいけど、小さな球場をファンでいっぱいにした最後の試合はなかなか味わい深いものがある。人生の渋さや味を伝えてくれるような。

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