2021.02.28
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
タピオカドリンクという「他愛もないの話題」から始まる。「大ブームだったけど、最近はさすがに落ち着いてきているんでしょうか」
寒い日に急に飲みたくなって温かいのを頼んだら、「うまかったね~」。
昔からの馴染みのお店。ショウガ入りで温まったそうです。「週一くらいで、しばらく飲みたいね」
(タピオカ・・・、以前から大好きだった私ですが、そういえばブームの間は縁がなかったなあ。久々に飲んでみたい)
今回は、【レスポール使いで漫遊記】。
草野「ワタクシがいちばん好きなエレキギター。Gibsonのレスポール。ぶっといサウンドと安定感。ロックギターと言えば、レスポール!」
草野氏自身は、自宅にはレスポールを所有しているけれど、ギタリストとしてはずっとフェンダータイプのギターを弾いてきて、「だからこその憧れもあるのかなあ」と。
そんなレスポールで奏でられたのでは?という曲で漫遊です!
レスポールで演奏していると思っていた曲も、動画で確認したら違っていたということもあるそうで、今日はそんな中でも、「レスポールで弾いてるんじゃないかな?」という確率の高い曲をセレクトしたそうです。
オンエア曲
01 たまご(スピッツ)
02 How High the Moon(Les Paul & Mary Ford)
03 All Your Love(John Mayall & The Bluesbreakers)
04 Rock And Roll(Led Zeppelin)
05 Ziggy Stardust(David Bowie)
06 God Save The Queen(Sex Pistols)
07 It's So Easy(Guns N' Roses)
08 ループ & ループ(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツの「たまご」(1994年、4thアルバム『空の飛び方』)。
スピッツのギタリスト、三輪テツヤもレスポール使いだが、レスポールは高価なので「ちゃんとしたレスポールを手に入れたのは『空の飛び方』あたりだったと記憶しています」と。
草野「だから、この曲もレスポールで弾いてるんじゃないかなと思います」
(いやいや、わかってるでしょ)(笑)
(ギターロックバンドとしてのこの曲のかっこよさが当時の私にはわかっていなくて、かわいい曲・・・と思っていたっけ)(-_-;)
最初の曲は、「本家レスポールさんの曲」、Les Paul & Mary Fordの「How High the Moon」(1951年)。
この曲は当時全米で1位を続けたアメリカンスタンダード。オリジナルはブロードウェイミュージカルだけれど、「こちらのほうが有名」。
Gibson社のレスポールは、1950年代に人気のあったギタリスト、レス・ポールのために作られたギター。つまり“signature model(特定の著名人の名を冠した作品)”。
それまでのエレキギターはアコギと同じように中が空洞だったけれど、発明家でもあったレス・ポール氏は、そうではないsolid guitarの考案を早い時期からしていた。彼のアイデアを取り入れた最新鋭のギターの誕生!
ただし、当時はロックミュージックがメインストリームになる前だったので、レスポールはパワーがありすぎて、しかも重いということで、あまり人気は出ずに、一旦生産は中止へ。
この「How High the Moon」は1951年の楽曲なので、レスポールで演奏しているわけではないが、エレキギター「レスポール」を語るうえでギタリスト、レス・ポール氏に触れないわけにはいかないということで・・・。
そして次は、「あのエリック・クラプトンさんが在籍していたバンド」、John Mayall & The Bluesbreakersで「All Your Love」(1966年、2ndアルバム『Blues Breakers with Eric Clapton』)。
60年代に入り、ロックのギタリストがそのころ古くさい楽器として中古屋さんに出回っていたレスポールを使いだしたことで再評価される。
草野「忘れられていたレスポールが再発見された。レスポールとマーシャルアンプの組み合わせは大音量のロックコンサートにはぴったり」
「レスポール & マーシャル」は現在に至るまでロックのサウンドのおなじみ。エレキギターの余計なノイズを消すハムバッカーというマイクも主流に。
当時レスポールを使っていて、その後のロックミュージック界隈に影響を与えたのは、エリック・クラプトン。クラプトンはストラトのイメージが強いが、「60年代はレスポールも使っていた」。
この曲も「おそらくクラプトンさんがレスポールを弾いていたはず」と。
(ブルースロックの心地よさ。若いころはその良さがわかっていなかったっけ)
(クリームの初期のころはメインでレスポールを弾いていたそうです。この画像は、Breakers時代? 恥ずかしいほどに若い)
そして、草野くんのギター遍歴は?
最初に手にしたエレキギターは、ストラトキャスター。「昔は、エレキギターを選ぶなら、レスポールかストラト・・・という二択」。
中学生の草野少年には、「クラシックギターみたいな形のレスポールは真面目っぽいと思ってしまって、より不真面目なストラトを選んでしまった」と。
ところが、ハードロックやパンクのようなジャンルのギタリストこそ、レスポールを弾いている人が多かった。そのことに、ストラトを選んでしまったあとに気づいた草野くん。
ストラト使いにも、ジミヘン、リッチー・ブラックモアなどがいるけれど、ストラトは「パワーがないし、ノイズも多いので、ハードな音を出すには結構工夫が必要なギター」。
次は、Led Zeppelinの「Rock And Roll」(1971年、4thアルバム『Led Zeppelin IV』)。
草野「レスポールと言えば、この人! Mr. レスポール使い、ジミー・ペイジさん」
レスポールの良いところ、「ソリッドで、重たいボディーゆえのロングサスティーン(余韻が長い)、クリーントーンのときの温かみのある優しい音がひずませると一転してパワフルで攻撃的になる」・・・をレッド・ツェッペリンは堪能できるバンド。
ところが、草野くんが驚いたのは、初期のツェッペリンでは「ジミーさん、テレキャスターを使っていたらしい」。
さすがに4thのアルバムではレスポールを使っていたのではないか、ということで、「Rock And Roll」です!!
(一気に頭の中の時代が遡っていく・・・)
次は、David Bowieの「Ziggy Stardust」(1972年、5thアルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』)。
言わずと知れたミック・ロンソンのギターです。
(ココで特集しています。「部屋にポスターを貼りたくなるギタリストの筆頭!」と言っていました)
草野「レスポールを弾いているイメージが強いギタリストの一人」
70年代は、クラプトン、ジミー・ペイジの影響で、ハードロック、グラムロック、パンクロックにいたるまで「レスポールを弾いている人が多かったと思います」。
ミック・ロンソンと同時期では、T. Rexのマーク・ボラン、Mott the HoopleやBad Companyのミック・ラルフス、Freeのポール・コゾフらが「レスポールのイメージが強いかな」。
このアルバム『Ziggy Stardust』からはこの番組でも何度かかけているけれど、今日はタイトルナンバーで。
(改めて、いい声だなあ・・・)
曲終わりに、「アコギとの相性もいいよね、レスポールは」と。
そして、メッセージコーナー。
椎名林檎さんのギターの持ち方、弾き方が「最高にかっこいい!」と思っているリスナーさんから。
(下のほうにだら~っと下げて弾く感じ・・・。わかるわかる)
「草野さんの憧れの弾き方は?」
草野くんも「世代的に下のほうで弾くのがかっこいいと思っちゃう」。ジミー・ペイジやSex Pistolsのスティーヴ・ジョーンズもそう。
草野「だけど、ちゃんと弾こうとすると、どんどん上がってきちゃうんだよね」
パンクロックのようにジャカジャカ弾く感じならいけそうだけど、細かいフレーズやカッティングをやろうとすると、「低いところにギターがあると、なかなか難しい」。
個人的にかっこいいと思うのは、「フライングVを股に挟んで弾くマイケル・シェンカー」「オシャレなところではBlurのグレアム・コクソン」「レッチリのジョン・フルシアンテ」らで、PCの壁紙にしていたとか。
上から、マイケル・シェンカー、グレアム・コクソン、ジョン・フルシアンテ。
若い!
グレアム・コクソンはやっぱりメガネで。
ジョン・フルシアンテといえば、ストラトキャスター。
そして、
草野「だんだんギターの位置が高くなってきている、スピッツ二人です」(笑)
「不器用で、ギターも裁縫も料理も諦めている」というリスナーさん。「不器用でも練習すれば大丈夫?」と。
草野「不器用でも練習すれば、ある程度までは到達できるはず。器用不器用というより、性格的に飽きっぽい人のほうが難しいかな、と長年いろんな人を見てきて思います。自分のこともそうだけど」
ギターでもデッサンでも、なかには「え、なんで最初からできちゃうの?という人もいるけれど、ほとんどの人は最初はうまくない」と。
回数や経験を重ねることで、うまくなっていく・・・。
不器用な人は回数をもっと重ねなければならないかもしれないけど、「ある程度までは絶対に上達すると思う。遅すぎるなんてことはない」と。
(私もがんばろう・・・いろいろ)
次は、Sex Pistolsの「God Save The Queen」(1977年、2ndシングル)。
いいことずくめではないレスポール。
まず第一に「重い!」。ものによっては5キロ以上(+_+)。
初期のころのものはそれほど重くはなかったらしいけど、「そのころのヴィンテージものはポルシェが買えるくらいの値段」。
草野「一時期オレもレスポールでステージに立っていたこともあるんですが、この重さに諦めてしまいました」
そして、「レスポールのクセのない整った音質は、人によってはものたりないかも」
「クリーントーンでのキレのいいカッティングではフェンダー系のギターには負ける」
「フェンダー系のジャガーとか出っ張りの多いギターには暴れ馬みたいな予想外の音が出たりするおもしろさがあるが、そういうのはレスポールにはない」
などから、レスポールには「優等生」のような一面もあり、「そういう点では一長一短かも」。
そんな中でも、パンクロックは、ロングサスティーンや攻撃的な音、ひずんだ音を最大限に必要として、「レスポールを使ったんでしょうね」。The Clashのミック・ジョーンズもレスポール使い。
「God Save The Queen」のイントロのリフを弾いて、「これはレスポールならではの音だと思います」。、
この曲でのスティーヴ・ジョーンズは、「プレイ自体はハードロックテイストですが、パンクロックのレスポール使いの代表として」。
Sex Pistols - God Save The Queen
(すっきりする快感! 年を重ねても、好みはそんなに変わりません)
レスポールの種類は?
①レスポール・スタンダード
②レスポール・カスタム(ちょっとロックぽいタイプ。シーナ&ロケッツの鮎川さんなどが使用)
③現在のGibson SGもかつてはレスポールと呼ばれていた。
④レスポール・ジュニア(バンプの藤原くん使用)
画像は左から順に、①・②・③・④。
(合ってるかな??)
ほかにもあるけれど、「今日は、レスポール・スタンダードかカスタムを使っているギタリストを紹介している」。
最後は、Guns N' Rosesの「It's So Easy」(1987年、デビューアルバム『Appetite for Destruction』/デビューシングル)。
80年代に入って、ほかにもいろいろなタイプのギターがリリースされ、シンセサイザー・ミュージックが主流になって、「レスポールは再び、冬の時代を迎える」。
そんな中、再びレスポールの人気に火をつけたのが「Guns N' Rosesのスラッシュさんだったらしい。Gibson社を救ったとまで言われています」。
草野「(Guns N' Rosesの)スラッシュさんは、80年代、いちばん人気のあったギターヒーローじゃなかったかな」
下は、スラッシュとベースのタフ・マッケイガン。
特集の最後に。
レスポールはGuns以降は一定の人気を保っているように見えるそうです。
アニメの「けいおん!」で登場人物がレスポールを弾いていたことの影響でなのか、若い女性のギタリストにレスポール使いが増えたとか。
草野「クラシカルなシェイプゆえに、老若男女と問わず人気があるのかな」
親父バンドのギタリストがレスポールを使っていたら、「オレの中で評価が3割増し」だって(笑)。
自分が軽いギターを弾いているからよけいに、中高年が頑張って重いギターを弾いているというだけで「リスペクトしちゃいます」。
つぶやくように、「好きだなあ、レスポール・・・」。
(今回の特集、すごくおもしろかったし、いろいろ知りたいことが増えて、それも刺激になりました。いくつになっても「刺激」は大事。ありがたい!)
そして、「ちょっぴりタイムマシン」のコーナー。
(「ワタリ」のイントロで。スピッツ、ギタリストのレスポールなのかな?)
曲は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ループ & ループ」(2004年、4thシングル)。
今日はこのコーナーもレスポール使いで・・・だそうです。
邦楽でのレスポール使いは、JUN SKY WALKER(S)の森純太、My Hair is Badの椎木知巳、奥田民生、B'zの松本孝弘などがあげられる、と。
草野「日本でレスポール使ってるというと、オレ的にはアジカンの喜多くんかな、と思います。コレ、絶対レスポールだよね、という、太くてズンズンくる音が気持ちいい!」
スズキのチョイノリのCMで流れていたそうです。
(骨があって突っかかりが心地よいアジカンサウンド)
そして来週は、「2011年、日本のロックで漫遊記」。
今年の3月11日で10年。
まだ復興半ばで大変な思いをしている人、この前の大きな揺れで被害を受けた人。
それが東日本大震災の余震だと知って、「まだ10年しかたっていないんだな」という思いを強くした草野くん。
「このタイミングでこそ、10年前の曲を聴いてみよう」
草野「風化させないために、とか、そんなかたいことではなく、音楽の力で、あのころの気持ち、防災への意識、助け合いの心をちょっと取り戻してみませんか・・・、そんな感じかな」
(草野マサムネらしいコメントですね)
あくまで彼自身の印象に残った曲をセレクトして、だそうです。
先週の『俺の家の話』、これで最終回でもいい?というくらいの盛り上がりと密かな感動でした。
笑って、笑って、そしてグッとくる・・・なんて、極上のドラマではないですか。
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