■DRY
搾り出すうちに 電子音が鳴る
もう何も残っていないと告げる音
いつ補充したか 覚えていないほど
時の散歩はあっという間
からっぽの箱は 間抜けな音で
階段を転げ落ちていく
涸れた井戸のわきに 佇んで
過ぎてきた湿った季節を思う
日照りや断水が 私の体を小さくする
その記憶だけが 奇妙に鮮明だ
掌も指の先も かさついたまま
似たような心を映し出す
じたばたせずに ここにいれば
また季節のトビラが見えてくる
むなしい言葉で励ましながら
そうやって歩いてきた強さも在る
昨日よりマシなことがなくても
これが最後じゃない
からっぽの箱と涸れた井戸は
絶望のかわりに 何を見せてくれるだろう
だから たまに歩みを止めて
風の中に身を揺らす
桃色の季節の香る光景の中に
きっと音を立てずに現れるだろう
搾り出すうちに 電子音が鳴る
もう何も残っていないと告げる音
いつ補充したか 覚えていないほど
時の散歩はあっという間
からっぽの箱は 間抜けな音で
階段を転げ落ちていく
涸れた井戸のわきに 佇んで
過ぎてきた湿った季節を思う
日照りや断水が 私の体を小さくする
その記憶だけが 奇妙に鮮明だ
掌も指の先も かさついたまま
似たような心を映し出す
じたばたせずに ここにいれば
また季節のトビラが見えてくる
むなしい言葉で励ましながら
そうやって歩いてきた強さも在る
昨日よりマシなことがなくても
これが最後じゃない
からっぽの箱と涸れた井戸は
絶望のかわりに 何を見せてくれるだろう
だから たまに歩みを止めて
風の中に身を揺らす
桃色の季節の香る光景の中に
きっと音を立てずに現れるだろう