隠れ家-かけらの世界-

今日感じたこと、出会った人のこと、好きなこと、忘れたくないこと…。気ままに残していけたらいい。

「今」がたくさんつまっている!~①スピッツ 「さざなみ OTR」 NHKホール

2008年03月02日 12時08分35秒 | ライブリポート(スピッツ)
2008年2月27日 (水) at NHKホール (18:30開演)

 若いスピッツファン男子に「仲間が行けなくなったけど、一緒に行く?」と声をかけてもらい、うれしい一夜となりました。サンキュ!

 JR原宿駅から、やけに冷たい北風に追いたてられるようにして、そしてドラリオン?の派手なドーム型の会場を横目に見つつ、ダフ屋のお兄さんの「チケット、買うよ」の声を振り払いつつ?(私、よく声をかけられるんだよなあ。持ってなさそうに見えるのかしらん)、NHKホールに到着。
 久しぶりだなあ、ここ。
 最近は、ここはチケット無理だろう、ということで、近郊や北関東の会場を狙うようになっちゃったからなあ、と遠い目…。
 会場前は長蛇の列。さすがNHKホール、収容人員は3000人くらい?
 ま、そんなことはどうでもいいのですが。
 急いで中に入り、開演時間すれすれに席につきました。
 どんなライブでも、この始まる前の感じがいいなあ。ドキドキやワクワク(ボキャ不足ですが)。
 そして、ステージが明るくなると、ウオー!!という歓声とともに、立ち上がるオーディエンスたち!
 
 以下は、セットリストです。


【セットリスト】
1. 僕のギター
2. 不思議
3. ヒバリのこころ
4. けもの道
5. トビウオ
6. 点と点
7. チェリー
8. 群青
9. ルキンフォー
10. P
11. 楓
12. 桃
13. ネズミの進化
14. 夜を駆ける
15. Na・de・Na・deボーイ
16. スパイダー
17. 8823
18. 俺のすべて
19. 砂漠の花
20. 漣

アンコール
1. 魔法のコトバ
2. 恋のうた
3. 春の歌



 松戸宇都宮のレポをさっき読んだのですが、いやいや、お恥ずかしい。あのときのことや感動はよく覚えているんだけど、それを伝えるには決定的な語彙不足。誰かに届くように書くっていうのは難しいもんだけど、でもここは自分の記録として、書けばいいわけだしね。いろいろ思うのは、かえっておこがましい、ということで。
 NHKホールであらためて感じたことを思い出すままに…。


★「今!」の度合いが高いの
 いまだにヘビロテ状態の「さざなみCD」だけど、こういうある意味同じくらいのレベルにある曲がそろったアルバムをリリース後にツアーとなると、こんなに密度の高い「今!」な感じのライブになるんだなあ、と思いました。
 「同じくらいのレベル」というと、ちょっと誤解されるかもしれないけど。別に今までのアルバムには、レベルの高い曲と低い曲があった、とか、そういう「レベル」じゃなく、ね。
 うまく言えないけれど、心に迫る強さの程度、っていうか。ありゃ、これではもっとわかりづらいですね。ま、私にとって、ということなんだけど。
 だから(って、すいません、話を先に進めます)、彼らの「今」がすごく強く目の前に見えてくるような気がしました。
 某音楽誌の編集者が「愛」をこめて、「いつも同じようなアルバムなのに、同じようなライブなのに、なんでいいんだろう」と何度も「同じように」(笑)書いていたけど、それはそうかもしれないけど、でも「今」の度合いがいつもとは違う気がしちゃったのです。よくわからないですね、ハイ。

★「ぼ~っとしてると、おいてっちゃうよ!」
 あ、そうそう。それから、曲と曲の間も、すごくサクサクと進んでいく感じがしませんでしたか? もともと無理やり「余韻」をつくって、これでもかこれでもか、ってカタルシスをあおるようなバンドではないんだけど(そういうのは、たぶんキライ?)。
 だから、こっちが「ふ~」と言いながらユラユラする気分を味わっていると、「そんな顔してると、おいてっちゃうよ」みたいに次の曲のイントロが始まったりして、おいおい!って振り回されちゃう感じ。
 パンクな感じのバンドではそれはよくあったけど、今のスピッツの曲はそういうイメージではないし。
 だから、そのサクサク感、「振り回され感」がなんだかヘンに心地よかった。
 アンコールが終わった瞬間に、「えー、もう終わっちゃうの?」と後ろのシートの女の子が悲鳴をあげてたけど、それがひょっとしてねらい?なんてね。満腹感なんてあげないよ、それはどっかほかで満たしてね、って…。
 腰の低さや優しい人柄を見せつつ、この人たちはたぶん「S」ってね。そういう意外性の数々がスピッツの魅力です(と言い切る)。
 
★「さざなみCD」の曲たち!
 で、その「さざなみCD」のかわいい曲たち。強調したいのは、どれも本当に演奏がかっこよかったこと。メンバーも楽しみながら、こっちに伝えようとしてくれているのがよくわかったような。今回はとくにテツヤ真正面だったので、この静かなる?ギタリストに釘付け的な瞬間が多々ありました。ホントにかっこよかったんだからっ!

 オープニングでマサムネのアコギが聞こえてきて、「僕のギター」。ここはやっぱり感動だな。私の知り合いが今回この曲をライブで聴くのを本当に楽しみにしていたのに、仕事で遅れてしまって、「ヒバリのこころ」からだったそうです。ホントに残念…。
 かわいい感じの小品的なはじまりなのに、進むにつれて、なんだかイメージがどんどん大きくなって壮大に変化していく流れがいいなあ。
 「トビウオ」のイントロがどんなに好きかってことは、もう言葉では表せないんだけど、それをライブで聴ける至福の時。私にはCDが完璧なんで、それを越えることはありえないんだけど。でもギターソロの強さと意外にきれいな?感じが新鮮だ。
 そうそう、驚いたのは「点と点」のテンポの速さ。松戸や宇都宮もそうだったのかなあ。覚えてない。最初、まちがえちゃった?と失礼なことを考えてしまったけど。
 えっ、このテンポで40歳の男たちは大丈夫ですか?なんておもったけど、結成20年の一枚岩は完璧でした。ボーカルも息切れせずに、あのちょっと危ない妄想の世界を見せてくれました。
 最後にボーカルののびやかな声だけで「一緒に行こうよ~♪」のところ。私のスピッツ仲間のY子さんも言ってましたが、いいですよね。ここだけで、ちょっと長く語れるくらいです(笑)。いつか語ります。
 その「点と点」と「群青」の間に、一般的にはスピッツ代表曲の「チェリー」。古さを感じさせないいつまでもピュアな曲。それでいて、サビの歌詞はちょっとブキミという深さ。イントロだけで、きっとファンじゃなくても「あ、あの曲…」ってきっとわかる。
 でも、ここでひと言。これを読んでいるスピッツファンじゃない方(そんな方は読んでないだろうなあ)、「ぜひぜひ、今のスピッツの曲を聴いてみてください!」と。
 「ネズミの進化」のアレンジがすごく好きなんですけど、ライブでも映えます。エフェクトをきかせたギターソロもいいけど、「いいよね~♪」の歌い方もいい。ここ、ちょっと好きなんですよ。
 「P」と「砂漠の花」。何回聴いても、ハンドマイクはちょっと緊張する(こっちが緊張してどうするの!)。どこかシロウトっぽさが抜けきれていないと感じるのは私だけでしょうか。いえいえ、もちろん「いい」んですけどね。その慣れない感じ。
 やっぱりクマのように、前に三歩、後ろに三歩を繰り返してウロウロしてたんですけど。
 でも声はすばらしい! ロック好きの連れの子も、「『P』はいいよね~」と聴き惚れていましたから。崎ちゃんのパーカッション、光っていました。それから控えめながら加わるギターとベースが、バラードを不必要なほどには甘くさせないってところが、スピッツのバランスだな。
 「砂漠の花」は歌詞の切なさが伝わってきて、みんな静まりかえっていましたね。「はじめて長い 夢からハミ出す♪」の歌詞が大好きなんです。いろいろイメージがわく言葉だと思うんだけど、なにかに決別する潔さと揺れが感じられる。すごく好きな人がこういう心境で先を歩いていってしまったら、ああ、せつないだろうなあ、なんて妄想しつつ…。この感じをライブで味わうのは、すごく贅沢な気がします。
 「桃」と「Na・de・Na・deボーイ」は対照的な曲ですが、バックのCGがきれいでした。同じ極彩色でも、「桃」はキュート、「Na・de・Na・deボーイ」はちょっと猥雑。そこがおもしろい。
 そして本編ラストの「漣」。これは前も感じたけど、ラストにふさわしい大きな曲なんだなあ、と。前も書いたと思うけど、アルバムに中では、いい意味で「小さな佳品」という印象だったんですよ、私。アイドルの曲にヒントを得た「~のよ♪」の言い方とか遊びもあって。
 でも、映像と一緒になって、広がりのある曲になっていましたね。私も一緒に浮遊させてもらいました。
 
 ああ、いい曲のつまったライブが良くないわけはないけど、それをあらためて実感しました。

★ゼイタクだよなあ!
 アルバム曲をすべて演奏してくれると、残りはだいたい10曲くらい?
 20年やってて→いい曲ばかりで→ファンはみんなこだわりのある人ばかりで…、となると、ホントにこの10曲を選ぶのって、大変だろう。
 はじめてライブに来る新しいファンもいるだろう、コアなファンもきっといる、汗びっしょりはじけたい人もいれば、静かにマサムネの声にひたりたい人もいる(これは案外少ないかも?)。
 もう、こんな宝物みたいな曲ばかりを世に出してしまった4人に責任があるんだけどね。
 このツアーでは、たぶん今までもそうだったけど、オフィシャルなスピッツ曲+定番の盛り上がり曲+ブレイク以降のポップな曲、を組み合わせてくれました(あ、「恋のうた」はちょっと古いけど、でもライブでたまに演奏してくれる曲ですよね)。
 本当に贅沢な悩みだけど、また後半のツアーのセットリストがどうなるか、楽しみです。いろいろみんなの声を聞くと、感激やら不満やらもあって興味深い。今度、「私がライブで聴きたい23曲」っていうのを、何パターンか考えてみようかな。オーソドックス版とマニアック版とか…。うーん、でも迷いそうだ。

 「楓」「と「スパーダー」はそんなに久しぶりの曲でもないと思うけど、私の近くのそこここで「ワー」と歓声があがりました。人気あるんですね。知り合いの男の子で、「楓」を聴くと泣ける、という人がいます。泣いたのは見たことないですけど。
 「P」のあとに「楓」を演奏してくれたのもおもしろかったかな。1998年版スピッツバラードと、2007年版スピッツバラード。ボーカルのエモーションの度合いは「P」のほうが高いかな。
 「ヒバリのこころ」はずっとやってほしい。こういう曲がデビュー曲っていうのはファンとしてもうれしい。「キュ~ン!」(笑)で始まるイントロは、この曲の中でいちばん好きなパートと言ってもいいくらい(いいのか?)。体に馴染んでいるはずの曲を若々しい演奏で聴かせてくれました。この疾走感! (「若々しい」って言うだけで、もう若くないってことなんだけど)。
 「けもの道」は前よりずっとずっと力強い曲になったような。スピッツからの優しい「フレー! フレー!」なんだろうけど。
 汗かき定番の「8823」「俺のすべて」は盛り上がります! 楽しかったです! ちょっと小声で、「『甘ったれクリーチャー』、聴きたい!」(笑)。これはアルバム『スーベニア』に収録されています。ロックで、かわいいけどちょっとずるくて、そして軽くエロな曲です。
 前にも思ったんですけど、「俺のすべて」で盛り上がったあと、暗転してすぐに「砂漠の花」にいくところ。余韻を味わう間もなく…という感じ、こっちはキライじゃないんだけど、ボーカルは大変なんじゃない?と思ってしまう。バラードでは荒い息なんてすぐわかっちゃうような気がして。
 「春の歌」は、最後のサビ「春のう~た~♪」にいく、すぐ前のテツヤの「ギギギ」(すいません、わかります?)というギターが大好きで、CD聴いていてそこを聴き逃すと早戻しするくらいなんだけど、そこもちゃんとチェックできました。かっこいい!です。この曲は、今の時期にふさわしい曲なんでしょうね。アルバムオープニング曲は、「夜を駆ける」(『三日月ロック』収録)、「ニノウデの世界」(『スピッツ』収録)、「惑星のかけら」(『惑星のかけら』収録)をはじめ、好きなのが多いんだけど、その中の一曲です。
 そして、「夜を駆ける」。これだけでも今回のライブの価値はある!と言いたいくらいのステージ。松戸でも宇都宮でも語ってしまったので繰り返しませんけど。でも、照明、映像、そしてメンバー4人の演奏、ボーカルの世界…、すべてが相乗効果で迫ってくる。しつこく言ってしまえば、最後のほうで画像に泡が湧いてくるところ(泡じゃない?)、螢? あそこで胸が締めつけられます。なんでだろう。
 そして誘ってくれたスピファンが言ってましたが、「メンバー4人がバラバラに自分のスタイルで演奏しているのに、不思議な一体感があるところがいい!」って。最後のところの4人の姿、いいですよねえ。
 ここでは、千手観音のような崎ちゃんのドラミングが秀逸!

 あっという間の2時間。満腹感じゃなく、放り出されて原宿の街へ(笑)。
 でも冷たい北風がむしろ心地いいと感じるほどに、ロックで熱いライブでした!
 
 …とここで終わればいいのですが(って、いつも言ってる)、せっかくなので「寒いMC」も書いておきます。「寒いMC]って本人たちが言ってたんですよ。
 長くなったので、コチラに移動します。

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