2022.06.12
「草野マサムネのロック大陸漫遊記」
FM TOKYO
6月3週目だ!
さてさて、どこからスタートするかと思ったら・・・。
SNSやネットでスクショしたスマホの画面を見るときに、人のスマホなのに「バッテリーの残量」が気になる男。「20%の人とかいるじゃないですか。ああいうの見ると、すごい心がザワザワするんですよ」
草野「バッテリー残量が少なくても平気な人って、世の中に多いんすかね」
田村くんが1桁のバッテリー残量で、「スマホのバッテリー、やばいかも」と言っていたそうで、「そういう人って、何度か同じようなこと、あるんだよね」。
われらが草野氏は「70以上ないと落ち着かない」人らしい。車のガソリンも半分になったら給油するようにしている、と。「できるだけ満タンに近い状態を保ちたい派」って。
(こういう人がバンドのフロントマンでいてくれる安心感(笑)。個人的には、車のガソリンでもなんでも、できるだけ全部使いきって新しく入れたい派。さすがに震災以降は3分の1くらいになったら入れますけど。スマホも、外出予定がないなら、10%切ってから充電したい派。気分的にね。ま、私のことはどうでもいいですが)
そして、今日は、80年代のイギリスを代表するバンド、【ザ キュアーで漫遊記】。
当初は、パンク、ニューウェーブのシーンから出てきたが、以後独自の進化を経て、ゴス、シューゲイザー、そしてビジュアル系の世界にも大きな影響を与えた重要なバンド。
「今も現役でヒット曲も多い、そんなザ キュアーの世界をご案内」と。
オンエア曲
01 プール(スピッツ)
02 Boys Don't Cry(The Cure)
03 A Forest(The Cure)
04 The Caterpillar(The Cure)
05 In Between Days(The Cure)
06 Friday I'm In Love(The Cure)
07 The Only One(The Cure)
08 人生に乾杯を!(コーヒーカラー)
09 醒めない(スピッツ)
漫遊前の一曲は、スピッツで「プール」(1991年、2ndアルバム『名前をつけてやる』)。
ギターのサウンドがThe Cureに近いかな?と、「そろそろプールで泳ぎたいかな?」
(なんで好きなの?ときかれると困るんだけど、たまらなく好き、がず~っと続いている曲。幼いボーカルの声もいいですよね)
最初の曲は、「こじらせた少年少女のロックスター、ロバート・スミスさん率いるThe Cureの初ヒットシングル」、「Boys Don't Cry」(1979年、3rdシングル)。
草野くんがThe Cureを聴き始めたのは85年。「この曲は、さかのぼって聴いた。このころから一種、独特ですよね。ポップなんだけど、どこか不気味」。
(MV。演奏しているのは子どもたちで、影が自分たち、という演出? 私は声が大好きです)
The Cure - Boys Don't Cry
The Cureについて。
1973年、イングランドのクローリーという街で地元の中学校の同級生で結成したマリスをベースに、高校に入ってメンバーチェンジを重ねて、1977年、The Cureの前身バンドであるイージー・キュアーが誕生。
草野「73年ごろはどんな音楽をやっていたんでしょうかね。興味があります。デヴィッド・ボウイさんとかの影響があったのかな」
イージー・キュアーとしてドイツのレーベルと契約したもののデビューには至らず、1978年春にいったん解散。
それでもロバート・スミスさんはめげずに、1978年12月、The Cureとして、「まだパンクやニューウェーブのブームの中」、デビュー。
草野くんの中では、ニューウェーブのバンドと言えば、このThe Cure。
エコー&ザ・バニーメン、The Smith、New Order、Bauhausと、いろいろいるけれど、80年代ニューウェーブサウンドというと、「オレはキュアーが浮かびます」。
次の曲は、「初めて全英トップ40にランクインした曲」、「A Forest」(1980年、5thシングル/1980年、2ndアルバム『Seventeen Seconds』に収録/今回は、2001年、『Greatest Hits』のShortened Editより)。
最初にかけた「Boys Don't Cry」はポップだったけれど、その後、The Cureは少し暗めな、ゴスの雰囲気、のちのシューゲイザーにつながるようなサウンドになっていく、「Pale Saintsなんかは、キュアーのフォロワーなんじゃないかと思います」と。
(2020年のPale SaintsのMVです)
Pale Saints - Sight of You (Official Video)
1984年のアルバム『The Top』から聴き始めていた草野くんには、「正直、このころの曲は退屈な曲だなあ、と思って聴いていました。普通のロックファンの耳で聴くと、単調でポップさはない」。
でも当時の人気カルチャーだったMTVや『フットルース』を毛嫌いしていた草野くんにとっては、「オレ、こういうの聴いてんだよね」という、自分はスペシャルな存在なんだという「勘違いのプライド」を満たすのに、The Cureはちょうどいい存在だった。「ちょっと痛々しい十代の思い出」
(若いときの・・・大人になってもあるかも・・・こういうこだわりというか、私には「見栄」みたいなもの、ありますね~)
曲終わりに、「こういう曲がヒットするって、イギリスはロックの国だと思いますね」。
次は、「The Caterpillar」(1984年、5thアルバム『The Top』/2006年、リマスター盤より)。
この曲が収録されている『The Top』は、草野くんが高校生の頃に最初に買ったThe Cureのアルバム。
アルバム自体はまだ暗めでゴスな雰囲気の曲が多いが、「意外にポップな曲もあって、この曲はそのポップなほうの曲」。
「その後のキュアーの曲を予感させるかわいい曲。トロピカルな雰囲気もあって、もはやロックの枠におさまらない感じ?」と。
上京した頃、一人の部屋でもよく聴いていたそうで、「夏によく合う曲だと思います」。
The Cure - The Caterpillar
(イントロがインパクトありすぎで、そのあと意外に親しみやすいメロディーが繰り返される。)
次の曲は、「キュアーが初めて全米で100位以内にランクインした曲、「In Between Days」(1985年、6thアルバム『The Head On The Door』)。
草野くんはこのアルバムのジャケットが好きで、「『ハヤブサ』のジャケも影響を受けています。ブラック・サバスの『Paranoid』か、これ」。
(非常にわかりやすい解説。)
以下は、『The Head On The Door』と『Paranoid』のジャケット。
草野「中身も最高で、キュアーのアルバムの中でいちばん聴いた一枚」
以前にこのアルバムから『Push』をかけたので、今日はこの曲で、ということで、「さっきのThe Caterpillarもそうだけど、アコギの使い方がすてきなんですよ」と。
(「Push」は「ステキなイントロ」というテーマのときに、ココでかけていました。また、クージーがゲストのとき(ココ)に、「In Between Days」をかけていましたね。)
メッセージコーナー。
15歳のリスナーさんから、「筆箱に彫刻刀を入れている」そうで、「草野さんは学生時代、筆箱に何か変わったものを入れていましたか」。
彼女は「授業中の暇なとき」(笑)に消しゴムを彫っているそうで、「授業中に彫った消しゴムはんこは数えきれないほど」だとか。
さすが草野くん! 「授業中の暇なとき」にひっかかったそうです。
草野くん自身は、筆箱は「筆記用具でパンパンだったので」、ほかのものを入れるスペースはなかった。
話はちょっとそれるけど、「授業中の居眠りのための小さなタオル」をかばんに入れていたとか。
前の席がガタイのいい友人だったときらしいけど、タオルをどうするの?? 顔の下に敷くの??
次は、「全英チャートのトップに立ったアルバムから」、「Friday I'm In Love」(1992年、9thアルバム『Wish』)。
草野「すごいかわいい曲で、今のところキュアーでいちばんヒットした曲かな」
「キュアーのポップ路線の極み、といったナンバー」だが、ほかの売れてるバンドの曲と明らかに違うのは、「ボーカルのロバート・スミスさんの歌声の力。独特だし、唯一無二」。
70年代のデヴィッド・ボウイ、マーク・ボランらグラムロックのシンガーの中性的な歌唱の影響も感じられるが、ボブ・ディランっぽいところもあり、「不思議な魅力、魔力をもったシンガー」。
(こちらは深くは理解していないけれど、魅力は十分に伝わる。好きな声)
80年代末にロンドンを旅した草野くんの友人の話では、「ロバート・スミスさんは当時アイドル的に人気だった」。
カムデンマーケット(草野くん曰く「原宿の竹下通りを大きくしたようなエリア)では、「今で言うジャニーズタレントみたいな扱いだった」そうだ。
草野「ロバート・スミスさんは、日本では偉業のカリスマみたいなイメージで紹介されていたので、すごい意外だったけど、今にして思えば、hydeさんや、マリス・ミゼル時代のGACKTさんのような存在だったのかな」
最後は、「わりの最近の曲で」、「The Only One」(2008年、13thアルバム『4:13 Dream』)。
「切ない感じの曲です」と。
特集の最後に。
現役バリバリのバンド。
すでに新しいアルバムの制作に入っていて、今年10月からのツアーで新曲を!とツイッターで宣言していたとか。
2019年のフジロックでは「ヒットパレード的なセトリだったので、新曲作ってないのかな」と寂しく思った草野くんが「これは楽しみですね」と。
(今回はわりとポップ強めな曲を選んでくれたので、次回機会があれば、もうちょっとダーク臭強めなThe Cureもぜひ。私が知っているだけでも、引き込まれる雰囲気の曲がたっぷり)
そして、今回の「ちょっぴりタイムマシン」は、コーヒーカラーの「人生に乾杯を!」(2004年、デビューシングル)。
(イントロは、おなじみの「スパイダー」で)
コーヒーカラーは、2005年の『ロックロックこんにちは in 仙台』に出演。
(2006年は行ったんですけどね~)
草野「これがね~、不思議に心に強く残る歌なんですよね。ロックじゃなく、限りなくシャンソンに近いJ-popという感じかな」
ユニット名は、セルジュ・ゲンズブールの曲名から。
ボーカルの中山卯月さんは現在、パリなかやまという名前で、流しとして活動を続けているそうだ。
草野「ぜひ、オレ、めぐりあいたいと思います」
(心がくじけているときに聴いたら、きっと立ち止まって泣いてしまう、当時、そんなことを思った記憶がある。久しぶりに聴いて、やっぱり胸に優しく迫ってくる。子どもにはわかるまい・・・)
来週は、【スピッツの激しめナンバーで漫遊記】。
(おおっ!)
『チェリー』や『ロビンソン』だけではないよ、スピッツは!(知ってますよ~)ということで、「よりロックサウンドなスピッツ曲を草野セレクトで」。
(これは楽しみすぎる。「激しめ」ということで、草野くん自身が何を選ぶかに興味大いにあり)
「草野さん、『シン・ウルトラマン』、まだ見れてません」
(ウルトラマンの声、高橋一生だって!とLINEを送ってきた友人がいた)
仕事をしながら、金時豆を煮る。
少しくずれたけど、いつもより甘めにして、おおかた満足。