『英国王のスピーチ』 (2010年 イギリス)
The King's Speech
監督 トム・フーバー
出演 コリン・ファース/ジェフリー・ラッシュ
/エレナ・ボナム=カーター
大勢の人が鑑賞し、アカデミー賞を受賞し、評判となった『英国王のスピーチ』を、ようやく観ることができた。
(吃音についての扱い方、解釈が正当なものかどうかはここでは言及しない)
ジョージ6世の繊細でむき出しな人間性がとにかく魅力的。ちょっと短期で頼りなげで、でも誠実な感じが伝わってくる。
王妃エリザベスの妻としての献身や優しさ、夫を支えていく強さ、賢さも心地よい。
そしてなにより魅力的なのは、王の吃音の治療にあたった言語聴覚士ライオネル・ローグ。
国王と対等の立場で向かい合い、人としての深いつながりを保ちながら長く交流を続け、最後のスピーチの場面の後半での安堵と優しさが漂う目の光が深い感動をもたらしてくれた。
とくに大きなドラマがあるわけではない。でもこの三人の魅力的な奇をてらわない行動や言葉の積み重ねに、心地よい感動ももらったような気がする。
人々の心に届いた最後のスピーチで映画はラストを迎えるが、それあくまで静かな流れ。
これから戦争が始まり、ヒトラーの台頭、ナチスのもたらす過酷な時代に突入する。その前のほんの小さなささやかな幕切れ・・・ということか。
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