やまめの庭つくり

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イゾラ・ベッラその3

2010-08-06 | イタリア庭園紀行
今日はイゾラ・ベッラの別荘の部屋について.

ベッラ荘に入ると,絢爛豪華ないくつもの部屋を通り抜けることになるわけですが,中には全く趣の異なる部屋があります.

それは,シェル・グロットと呼ばれるもので,その名の通り,壁や天井を小石や大理石で被われています.

今は展示室ですが,昔は応接間として使われていたそうです.

グロットとは1580年代にあらわれたイタリア庭園の手法のひとつで,最初は庭の一部に自然の洞窟のような場所を作ったそうです.


このベッラ荘は17世紀のものなので,自然風ではなく,とても人工的な印象を受けます.

ただ,海の底のような感覚が味わえるので,そういう意味では自然を意識している気もします.

湖なのに海の雰囲気・・・・

遠く離れた海に対しての憧れとここに再現してしまう贅沢が集約したのでしょうか.







グロットは「グロテスク」の語源とも言われますが,あまりピンと来ません.

怪奇趣味という言われ方もしていますが,現実世界からちょっと離れた感覚になるからでしょうか?



床にも小石がびっしり敷き詰めてあり,模様を浮かび上がらせています.

ひとつひとつ床にはめ込んでいったんですよね・・・・

贅沢な空間ですね.





ちなみに・・・

すごい螺旋階段を見つけました.

壁から片方が出ていて,次から次へと板石が重なっていく・・・

シンプルで構造がわかりやすい.

でも,よく考えたら板石ってとても重いのではyellow25ase2






イゾラ・ベッラその2

2010-08-03 | イタリア庭園紀行
イゾラ・ベッラの庭園についてもう少し.

屋敷を出たところには小さな広場があり,前庭のような感じになっています.

絢爛豪華な屋敷から出て,自然に触れるための前室のような空間です.



この階段を上り,



門冠りの??クスノキの太い枝の下を通り



樹木の影が濃い空間を抜けると

左右対称の整形式庭園があらわれます.



階段を上ると明るい日差しが降り注ぐ芝生広場になり,孔雀たちがお出迎え・・・.



露壇は本当に遊園地のアトラクションに見えます.

近づくと露壇の足元が見えてきます.

壁がんに色々な工夫が凝らしてあるのですが,植物が元気すぎて彫刻が隠れています.

惜しい...



宙に浮き立っているような彫刻たち.

各個体が活き活きして見えます.




down露壇の裏は彫刻というより,細い尖塔が空にそびえていますね.

上から2段目はつるバラが満開になっています.

表の人工的な作りとは対照的な緑と花いっぱいの演出ですね.




湖に囲まれているため,端の方では水をバックにした景色が楽しめます.

複雑に掘られた石のチェアと遊び心いっぱいのアイアンフェンス.

ちょっと実用性に欠けるかもしれないチェアですが,何だかワクワクさせてくれますkirakira2





ウェディングケーキと呼んでいた樹.

樹の根元の人の背丈と比べてみて下さい.




ひたすら面白さを追求していたとしか思えませんね.

このお庭は・・・・yellow18symbol5

バロックの思想にあふれているということなのでしょうか?




イゾラ・ベッラその1

2010-08-02 | イタリア庭園紀行
久しぶりにイタリア庭園見学の続きです.

イゾラ・マードレを見学した後,迎えに来た舟に乗って今度はイゾラ・ベッラに.

所要時間はおよそ10分くらいだったでしょうか.

イゾラ・ベッラは,ミラノの名家ボッロメオ家のカルロ3世が妻イザベラのために構想した別荘です.

建築家アンジェロ・クリヴェッリが島全体を庭園にしようというコンセプトのもと設計し,1632年に着工.

途中色々あって結局カルロ4世の時代1671年に完成したそうです.

代表的なバロック庭園,とされています.

やまめたちが今回見学したエステ荘,ランテ荘,ガルゾーニ荘などもこれらのカテゴリーに入ります.

ところで,今更ながら「バロック庭園」って何か,調べてみました.

17世紀頃を中心に作られた庭園で,社会的には絶対王政,カトリック教会支配の時代,王家の贅沢は外国人の尊敬の念を集めるために必要と考えられていた時代の庭です.

そんな考え方がまかり通っていた時代ですから,

その特徴はというと,広大,偉観,豪華,贅沢,過剰,凝った技巧といった表現で形容され,滝,噴水などの水関連と石像物が多いそうです.

人工物が多いということは,それだけ多くの人・もの・お金がつぎ込まれたということですからね.

そして,建築と庭の一体設計,大胆な斜面の利用,驚かせる(奇想,遊戯)が基本構想にあり,カスケードや水劇場などの創出につながりました.



そんな背景をふまえてベッラの紹介をします.


船着き場で降りるとすぐベッラ荘があります.

別荘の外観はわりとどこの建物も内部に比べて地味・・・というか,質素な感じがします.



それに比べて内部は超豪華!!
夢のように贅沢で美しい部屋をいくつも通り抜けて裏手にある庭園に向かいます.



屋敷には島全体の模型が置いてありました.



別荘の裏手は建物の外壁もきれい.



広々とした庭の突き当たりに露壇があり,たくさんの彫刻が見えます.

第一印象は,テーマパークyellow12???というものでした.

遠足に来た子供達がたくさんいるし,クジャクも歩いているし.

それに彫刻達が天をつくように立ち並んでいる様子は,奇抜,遊戯,過剰・・・・まさしくバロックの要素そのものですね.





どう見てもふざけているとしか思えないこの彫像の天使?達・・・・

「あれれ~?」なんて,名探偵コナンに出てくる江戸川コナンがとぼける時にいうセリフが聞こえそうな気がしました.

見ていると何だか微笑んでしまい,楽しい気持ちになってきます.

一番上のボッロメオ家の紋章でもある一角獣なんて,近くで見るとかなり大きく重厚な彫像です.



でも,後ろから見るとしっぽが・・・あまりにバランス悪く太すぎるalien



露壇の裏の模型.まるで軍艦か要塞のようにも見えますね.



表はグロッタや彫刻など,人工的なもので統一していましたが,裏はバラ園,柑橘類のエスパリエ,整形式庭園・・・・と植物で被われた世界を演出していました.





船上から露壇の裏を見たところ.

模型ではゴツかったけれど,こうしてみると緑の楽園に見えますね.




ティボリの街並み

2010-07-24 | イタリア庭園紀行
しつこくイタリアの話を少し.

ローマから電車とバスに乗ってエステ荘のあるティボリという街に行ったわけですが,帰りにバス停までの道のりをわざと遠回り.

ティボリの町並みの裏側を探検気分でうろつきました.

道路,というより建物と建物の間が自然に通路になっいるようなところ.



石畳をやめてアスファルトのような道路に改修してあるところ.



down洗濯物が鼻,ドアや窓が口・・・に見えてきませんか?

家が井戸端会議をしているような感じですね.



不思議なカットの外壁を持つ建物.(窓の下,見て下さい)



意外と街は高台にあることがわかります.

階段を見つけ,降りてみると・・・



思いの外,絶景だったりして.



反対側は登りになるわけですが,



途中,さらに細かい道がついていて



突き当たりは建物をつぎはぎしたような不思議なアパート?

賃貸なのかなぁ??

家の中はどうなっているのか知りたくなりました.



アーチがたくさん・・・







石畳の坂を見ると登りたくなり,アーチを見るとくぐりたくなって,放っておくといつまでも帰りそうにない二人でした.



色々なパイプが後から取り付けられているように見えます.

古い石造りの家を維持しつつ,現代風の生活を送ろうとすると,きっと不便に感じることがたくさんあるんだろうなぁ~yellow18symbol6



イゾラ・マードレ2

2010-07-13 | イタリア庭園紀行
イゾラ・マードレの紹介が遅れましたが,ここは,ミラノの名家ボッロメオ家が18世紀に建てた別荘で,その建物の周りはエキゾチックな雰囲気を漂わせる植物園になっているのです.

長さ330m×幅220mと,マッジョーレ湖に浮かぶ島の中で最も大きいとのことです.

そこで昨日紹介できなかった植物をアップしたいと思います.


リュウゼツラン.湖をバックにかっこいいです.



ユーカリの大木.



キリ.花が落ちて薄紫の絨毯のようになっていました.



糸杉.倒木防止のためにワイヤーで四方から引っ張って養生中です.



大がかりな移植をした・・・のかな.



サルスベリ.同じような形の枝が天に向かって伸びている様は迫力があります.



まるでコリウスのような葉色.強烈な個性です.



シャクナゲ.ピンク,白以外にこんな変わった色も・・・





バラ.
種類と数は少ないけれど,きれいに咲いていました.



ここからは階段の写真.
個人的な趣味です.

石は経年変化で丸くなり,優しい雰囲気が感じられます.











そしてベンチ.全部石で出来ています.

暖かい日にすわったら,おしりもポカポカになるでしょうね.








教会前の庭の石像.コマ犬に似ているようなアジアっぽい感じ・・・.

でも,イヌより,グルメリポーターの石塚英彦にそっくり!!と思ったら,もう,そのようにしか見えなくなってしまいましたyellow25



植物園を出るときに出口の草から遠慮がちに見守ってくれるイヌ?の石像.



こちらも犬というより,アシカっぽい・・・・ase