やまめの庭つくり

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東福寺 方丈の庭

2012-11-08 | 京都庭園紀行
いよいよ,東福寺の方丈庭「八相の庭」,重森三玲氏の代表作といわれるお庭へ.

まず東庭.



円柱の石は北斗七星に見立てたもので東司の柱石の余り石を利用したものだそうです.

生け垣を天の川に見立てて小宇宙を表現したといわれています.

石で北斗七星を庭の中心に作り出してしまうなんて,ずいぶんわかりやすくも大胆な発想だと思いました.

次,西庭.





これは確かに植物と砂で構成されていますが,生き物というより,緑色の立体です.
幾何学的な市松模様は古代中国の田制「井田」にちなみ,「井田市松」と呼ばれているそうです.

苔のカーブがきつすぎます・・・絵画のようなラインですね.


北庭.



石と苔で作られた市松模様が,東に向かうにつれてまばらになっていくとても印象の強い庭です.西から仏教が伝来して日本に伝わっていく様を表現したということです.

幾何学的で規則的な模様の繰り返しは,人工的で,信仰の力強さを表しているような気がしました.

昔から市松模様は庭や建築,着物などに取り入れられていたことを考えると,めずらしい意匠ではないのかも知れませんが,だんだんまばらに希薄になっていくような配置が新しいのかもしれませんね.

苔はウマスギゴケ.

このデザインを色々な人が真似ている気がします.
それだけインパクトがあるデザインだということなのでしょう.

苔が盛り上がってモコモコな感じでしたが,あの四角を維持するには手入れが大変なんでしょうね・・・yellow22symbol6

南庭



廊下を左手から歩いてくると,こんな感じに石組みから現れてきます.

18尺ある横長の石は写真では全く伝わりませんが,質感,重量感からくる迫力はかなりすごいし,石の迫力をひしひしと感じました.



ただ,ちょっと離れて見てみると,本当は蓬莱神仙思想を表現しているのに,やまめには大きな鯨のような魚がうれしそうに群れているようにしか見えませんでした.

水面からヒレを出して・・・fish






東福寺 光明院

2012-11-08 | 京都庭園紀行
東福寺の塔頭のひとつ,光明院(こうみょういん)は,日下門に向かって右手に東福寺の敷地に沿って歩いて行くこと5分程度.



虹の苔寺ともいわれ,主庭は1939年に重森三玲氏が作庭した「波心庭」という枯山水の庭です.

入口にこんな看板があったので,「是非!」と良いながら門をくぐりました.



開け放たれた障子からまず目に飛び込んできたのはたくさんの立石たちと,苔.



本堂,書院,茶室と縁を歩いていくと,目の前に広がる立石の表情が変わっていくように感じました.



大小75の石を使っているそうで,三尊石が3組,庭全体としても三尊を構成するようになっているとのことです.



三尊石の主石から放射状にすべての石が並べられ,光明が放たれる様を石で表現したそうです.

苔に隠れてしまっていますが,よく見ると州浜があり,枯山水に州浜を取り入れた最初の例ということでした.

そして,白砂が海洋を表しているのも初の例だそうです.




サツキやツツジによる大刈り込みは雲紋を表しているとのこと.





石がみんな三尊石に向かって立っている・・・これが気勢というものかとAIちゃんと石の「気」を感じたのでした.

やまめは,石同士が会話をしているように見え,お互いに見えない何かで関連しあっている様な庭に見えました.