やまめの庭つくり

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屋上庭園の先駆け

2012-11-19 | 庭園見学
土曜日に見学に行った横浜駅西口相鉄ジョイナスの屋上庭園「ジョイナスの森彫刻公園」について紹介したいと思います.

ここの庭園を毎日管理しているジャングルコレクションさんや,相鉄ビルマネジメントの方による説明を受けました.

この屋上庭園のオーナーである相鉄(旧相模鉄道)はもともと相模川の砂利を運ぶ鉄道でしたが,そのうちお客さんも運ぶようになって西口のターミナルを繁華街として発展させたいという思いからS33年に用地を買収して名品街のようなものを作り,更にS48年にジョイナスを創設.

そのころから森のようなものを作りたいという構想があり,都会のコンクリートジャングル(こんな言葉も今は聞かないですね)に緑を.人間性の回復をテーマに光,水,緑を備えた屋上庭園を造ることを決意したそうです.

そしてS53年に竣工の運びとなったそうですが,当時の屋上庭園といえば今と違って人工土壌やアンカーの技術などもまだまだない時代だったので,土は黒土,支柱はとにかく太い丸太・・・という力業でした.

屋上は10階の高さになるのですが,夜,ビルの外から7-8メートルの高木を吊り上げたのだそうです.

当時にしてみれば画期的な庭園だったのだということがわかりました.

コンセプトは,屋上に地上と同じような公園を作ろう,ということだったそうです.

心のオアシスになるような庭園.



ということで,地上の公園を歩いているような感覚にするために,あえて園路と植栽部分に段差を大きく取らないというデザインになっています.





なるほど,確かにスッキリとした園路が自然で広々した空間に見せてくれる気がしました.

結構土厚を確保するためにボックスやレイズドベッドを使ってしまうケースも多いですからね.

そういう庭園とは全く違っています.

もちろん,高木のところは土厚60センチくらいはあるのですがdown,平均すると土厚は25センチくらいとのこと.



土が少ないので,竣工から35年くらい経っても木々はゆっくりと成長し,そんなに巨大にはなれないんですね.(もともと十分高木ですが.しかも,アンカーではなく,この支柱で支えられていますdown)



刈り込みも立派になっています.




それから,緑に親しみ,癒しの空間であるために,芝生への立ち入りOK,転がってもOK.



そのために,除草剤などは使わずに,手で除草しているそうです.

高木もなるべく樹形を崩さないように一本ずつ木に登って剪定しているとのこと.


今まで意外と地味な屋上庭園だなぁと正直思っていたのですが,実は先駆けの屋上庭園で,当時の人たちの熱い思いが色々と詰め込まれていることがわかると,そしてそれが引き継がれていることを知ると,すっかり見る目が変わってしまいますね.

さらにH22年より「緑を感じながら自分らしく毎日を過ごして,ショッピングなどに訪れたときに癒されて欲しい」という考えのもと,ジョイナスの屋内にもグリーン(かなり大きな観葉植物)を多数配置し,トイレにも生花を飾るというグリーンプロジェクトを実施.

トイレの花は屋上の花downと連動している凝りようです.



しかも,この屋上の植えマスの花たちは毎月HPでアンケートを採って希望の多い花に植え替えられるのですが,掘りあげた苗は無償でイベントなどで配布したりするそうです.

相鉄の回し者ではないですが,相鉄さん,なかなかやるじゃないですか.