AOKI「要望リスト」、高橋元理事が組織委に提示か 五輪汚職
8/18(木) 18:08配信
8/18(木) 18:08配信
毎日新聞
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の理事会であいさつする高橋治之元理事(左奥から2人目)=東京都新宿区で2014年6月5日午後2時4分、小川昌宏撮影
東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー選定を巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=がAOKIホールディングス(HD)の大会に関連する要望が列挙されたリストを組織委に提示した疑いがあることが関係者への取材で判明した。組織委はリストにあった「日本選手団の公式スーツ製作」に関し、AOKIHDの要望に添った動きをした形跡があり、東京地検特捜部が経緯を調べている模様だ。
【図解】東京五輪を巡る汚職事件の構図
関係者によると、元理事とAOKIHD前会長の青木拡憲(ひろのり)容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=は同社がスポンサーに決まる約1年9カ月前の2017年1月ごろから、元理事が経営する東京都内のステーキ店などで複数回会合を開き、スポンサー料の金額を調整していたとされる。こうした会合には、前会長の弟で同社前副会長の青木宝久(たかひさ、76歳)、同社専務執行役員の上田雄久(かつひさ、40歳)の2容疑者=いずれも同容疑で逮捕=も出席することがあったという。
専務執行役員は前会長の指示で元理事に要望したい内容のリストを作成したとされ、前会長は18年9月にこのリストを元理事に直接手渡したとされる。リストには「日本選手団の公式スーツ製作」「オリンピックモデルのスーツ販売」などが列挙されていたが、組織委の元職員が特捜部の事情聴取に「リストを高橋元理事から見せられた」と説明しているという。
当時、日本選手団の公式制服は日本オリンピック委員会(JOC)が製作の手続きを進めていた。組織委はJOCに問い合わせて、製作者を公募のコンペで決める未公表の方針を入手し、AOKIHD側に直接伝えた疑いがあるという。JOCは19年4月に公募を開始し、AOKIHDはこれに応募して「公式服装選定委員会」の審査を経て19年11月に製作者に決定した。
元理事はAOKIHD側から17年10月~今年3月に計5100万円の賄賂を受け取ったとして逮捕された。関係者によると、元理事は逮捕前の特捜部の聴取に前会長からリストを受け取ったこと自体を否定していた。受託収賄罪の成立には職務に関して何らかの依頼(請託)を受けたことの立証が必要だが、特捜部は前会長らがリストの作成を認めていることなどから請託の立証は可能と判断したとみられる。【二村祐士朗、井口慎太郎、松尾知典、島袋太輔】
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