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梅酒造りと酒税法~気イつけなはれや!

2009-06-15 20:57:00 | 
梅酒づくりの季節ですねえ。
うちの店でもホワイトリカーや氷砂糖がよく売れる時期であります。
商売柄、たまには酒の話題を書こうかなと思います。

造る前の梅の下準備については
専門のサイトで検索していただくとして
一番基本の分量は

1:1:1

なんの数字かと言いますと

ホワイトリカー1升(1.8リットル):梅1キロ:氷砂糖1キロ

の割合なんですよ。
これがいっちゃん基本型なんで
初めて造る方は、この分量で始められるのがよろしいかと思います。
できあがった梅酒を飲んでみて
次回から砂糖の量を増やしたり減らしたりと
好みに変えていけばいいですよ。

ちなみに氷砂糖は
大きな固まりの「ロック」
小さい固まりの「クリスタル」
の2種類があります。
梅酒造りには「ロック」がおすすめです。
と言いますのは

糖分がゆっくり溶けていく方が
梅の成分が放出されやすいそうです。
早く溶けると
梅が成分を放出しきれないんですね。

また、梅酒造りには
一般にホワイトリカーという焼酎を使用しますが
日本酒やブランデーで梅酒を造る方もいらっしゃいます。
日本酒はホワイトリカーよりアルコール度数が低いので
水で割らずにそのまま飲むこともできます。

ホワイトリカーと違って日本酒には
若干糖分が含まれてますので
日本酒で造られる場合は
砂糖を控えめにしてくださいね。

さてここで重大なことを書きます。

梅酒造りは酒税法にひっかかる場合があります

梅酒ってただ梅と砂糖を焼酎に漬けるだけなのに違法?
どこの家でもやってんじゃん!
…いやまあ、ちょっと聞いてね。

酒税法では
酒造免許を持たない人が酒を造ることが禁じられています。
「密造酒」なんてミステリアスな響きの言葉もありますね。
実際、40年ほど前までは
家庭で梅酒を造ることは禁じられていました。
もちろん今はOKですが
それでもいくつかの決まり事があります。

まず使用するアルコールについて。
焼酎でも日本酒でもブランデーでもいいのですが
アルコール度数は20度以上でなければなりません。
20度未満のアルコールを使用すると違法です。

なぜかというと
20度未満のものを使用すると
新しい発酵が始まる恐れがあるからです。
つーことは
新しく酒を醸造しちまったことになります。
先に書いたように
免許を持たない人が醸造しちゃいけないんで、これは違法です。
まあ
度数が低いとカビが発生しやすくなるんで
その観点からでもやめた方がいいです。

ちなみに
一般に売られている日本酒はほとんど20度未満なんで
日本酒で梅酒を造る時は
お店の人に「20度以上の酒」と指定して買わなきゃいけません。
あんまり売ってないだろうなあ。

さて
他にも決まり事があります。
造った梅酒は
「同居している家族のみ飲酒可能」
ということです。



知らなかった~と言う方多いでしょうね。そうなんですよ。
訪問客に飲ませたり
手みやげにどうぞ、というのは激しくNGです。
ましてや販売した、なんてのはもってのほかです。

たとえ親子でも
離れて暮らしている息子に梅酒を送ってあげよう、はNG。
きびしいですね。

ちょっと前にバラエティ番組で某女優が
自家製の梅酒を司会者におみやげとして渡していたそうですが
これってどうなんですかね?
問題にならなかったんでしょうか。

問題になったと言えば
数年前、ある山の中のペンションで
オーナーが自家製の梅酒を宿泊客に提供して喜ばれていたのですが
これが酒税法にひっかかり
ペンションが摘発されたという事がありました。

この事をきっかけに
昨年、酒税法が一部改正されました。
お客さん相手の商売をしている店では
事前に税務署に申請すれば
自家製の梅酒を提供できるようになったのです。
ただし
いろいろ細かい決まり事があるので
簡単に「うちの梅酒どうぞ!」とはいかないようです。
詳しく知りたい方は国税局のHPへどうぞ。

梅酒の話を書いてきましたが
酒税法にひっかかるようなことは
結構みなさん知らずにやってらっしゃったりしてるようです。

例えば
チューハイを造って飲むこと。
これ自体は違法じゃないんです。
焼酎をサワーで割って造るんですよね。
お酒の弱い人が飲み会で飲むのにうってつけです。

しかしチューハイも
家族で飲むのはOKですが
他人に造って飲ませるのはNGです。
焼酎にサワーを混ぜると
分類上、焼酎ではなく「リキュール類」になっちゃうからなんですね。
分類が変化してしまうとだめなんです。

えええええええええええ


じゃあ、じゃあ
居酒屋で飲むチューハイはどうなんの?違法じゃん!
…いえいえ、ちょっと聞いてください。

飲食店では例外が認められてます。
ホッとしましたか?
ただし、飲食店でも
チューハイやカクテルなどを作り置きすることは禁止されています。
「お客の注文を受けて、その都度作る」
ことが認められているからなのです。

だからバーテンダーが
シェーカーを振ってカクテルをかっこよく作るのは合法なのです。
バーテンダーと言えば
「惚れてまうやろ~!」のWエンジンが思い浮かぶようになってしまいました。
お笑い番組の見過ぎやねえ。