普段は邪魔な存在の電線も今朝だけは美しい。
床屋へ行く途中、道路では住民が一斉に顔をだし、雪掻きに励んでいた。
「ここは川があっていいですね」
「いや、川は埋まっていますよ」
床屋で。
「川がなくなったね」
「いや、川の雪を流しても上流からどんどん流れて来てすぐ埋まっちゃうんです」
昔はこのぐらいの雪でこんなに騒がなかった。
「お宅の町内会では市の除雪車が入りましたか」
「いやいや、うちの町内会では昔から除雪車が来たことないよ」
「除雪車を要請してもなかなか来てもらえないの。それでうちの町会では困っているんです。」
急激な積雪で、どこの町内も大変なようだ。
「これから老人社会になるね、どうなるのだろうね」
我がご近所さんも今まで雪掻きに出ていたお年寄りが、どんどん老いて行き、雪掻きに出て来なくなった。
若い人はいないわけでもないのだが、皆じっちゃんばっちゃん頼りで雪掻きにはまるで関心がない。
そのため私は若くもないんだけどお隣の前も雪かきをするはめになった。
車が動かなくなるほどではないのだが、家内がうるさい。道が凸凹で走りにくいとブツブツと口説く。
なにしろ、うちのかかあはうるさいんだから。
今年はもう後期高齢者の仲間になっている。幾つまで雪掻きしなければいけないのか。
「息子を使え」というのだけど。
それを言うと途端にヘソを曲げてまう。
どこの家でもそうなのだけど、息子や嫁にはかなり気を遣っている。
それでは、若い者は役立たずになってダメだというのだが。
どこの家でも、若い者に気兼ねして使おうとしないらしい。
それで、年寄りが動けなくなったら、自分達の面倒を誰が見るのだろうか。
隣りのおばあちゃん、若い人の気を遣ってコミニケーションを取らないもんだから、ついにボケてしまい施設に入ってしまった。
そんな事でいいのだろうか。
現在の教育制度はどこか狂っ てる。