06/10/14
◆藤田満/榮の景/新宿ニコンサロン
イトナミのケイ、と読む。「なおうつくしき田舎町にて」との副題。あちこち地方をサイクリングしていればおなじみの光景ばかり。決して無秩序ではないが、整然と、とも言えない、田舎集落の民家の建ち並び方、それを切り取った風景に焦点をあてるとこうなるのかと、ちょっと感心した。
◆大坪信二/村の絆/新宿ニコンサロン
市原市指定無形文化財のひとつ根本十二座神楽をめぐるカラースナップ。仲間内のちょろスナのようで、ちょっとしまりに欠ける感じ。
06/10/15
◆桑原史成、Surat Osathanugrah、石川直樹、上本ひとし/フォトシティさがみはら2006/相模原市民ギャラリー
ズーラシアにアカカワイノシシを撮りに行った帰りに。イノシシは太枠の柵の遠く向こうでろくに撮れず、帰り道、並ぶのが嫌で空いてるからと乗ったバスは全然違う方向に行ってしまい、えらい遠回りして相模原の駅までたどり着いた。
桑原の「水俣の肖像-公式確認から半世紀の節目」はニコンサロンの展示を見たばかり。何度見ても、艶のある深いモノクロは、見る者にテーマの深さを生々しく迫らせる。
Surat Osathanugrah「グッバイ・バンコク」は、近年急速に失われていくタイらしい風景のスナップ。一度だけ訪れたことがあるだけの者にも頷けるシーンが多々あり。
石川の「VOID」は、ニュージーランド北東のマオリの聖地の森に分け入る、明るい色のカラー作品。変化に富んだ視点視野で聖なる森のあちこちを捉えているが、不思議と静かで渇いた印象。
上本の「峠越え」は、癌を発祥した作家の母を旅立ちまで追ったドキュメントで、沈思黙考する際の視線のさまよいを思わせる、というか、母親が逝きつつあるその時期に目にした縁を感じずに入られない田舎景色が織り成されている。ちょっと乾いた感じのする暗いトーンのモノクロと、スクエア画面中心に主題を据えた構図が、静かで深い思考を感じさせる。
石川はカラー作品だったがあまり「カラー」を前面に出したものではなく、総じてモノクロ作品ばかりで、このご時世にちょっとうれしくなった。
06/10/21
◆奥山美由紀、亀裕里子、かんのさゆり、坂本勇、仲宗根香織、林田摂子、古川泰子、正岡絵理子、目良敦、山崎伸康/写真ひとつぼ展/Guardian Garden
恋した外国人の出身国を訪れるとか、母親の自殺の背景を探るとか、特化した目的に向かう意識から生まれる写真群というのはまだ理解しやすい。が、特にひとつぼ展の年齢層に多い、若さ爆発で目標を定めず撃ちまくる風、あるいはこれからの人生に対する漠然とした悩みの表出の一形態であるとか、なかなか共感しづらいものに共感し評価している審査サイドにむしろいつも驚かされる。とは言え、作家のコメントを見ていると、ある前提あるいは仮定を置いてやったときに見える世界を、撮れた写真に託してそうだと言い張っているだけのことで、それは実生活とはほんの紙一重のことなのではないか、とも思ったりもする。
◆渡邉克晃、山田アツシ、岩亮、家出志津子、佐藤博文、直江竜也、細江ひさの、三宅康代/富士フォトサロン新人賞2006/富士フォトサロン
ひとつぼ展の後に見たので、テーマ性の強さにひつまず安心感。なんてことを言いながら、どれが好きかと言われれば、重めのテーマのものよりも、細江の「散歩のススメ」が一番。散歩に意味を見出そうが、ましてやそれを口にしようが、一枚一枚の写真が最も気持ちよく語りかけてきてくれるタイプの作品だった。
◆金山一宏/All Over Again~New York City~/富士フォトサロン
「世界で一番元気な街」と作家が言うニューヨークでの、チャレンジ精神溢れる人たちのスナップ群。夕焼けっぽい風味のカラーと、人々の笑顔がいい。
◆椎崎義之/憧憬/Kodak Photo Salon
「フランス独歩で見た風景」との副題。最近の撮影らしいのだが、やや粒子の目立つ霞のかかったようなモノクロームで、古きよき時代感が醸し出されている。
◆映画「ただ、君を愛してる」写真展/Kodak Photo Salon
劇中、宮あおい演じる主人公が開催する写真展から抜粋した作品の展示、とのこと。カメラのカタログに使われてるような感じの写真群。
◆藤田満/榮の景/新宿ニコンサロン
イトナミのケイ、と読む。「なおうつくしき田舎町にて」との副題。あちこち地方をサイクリングしていればおなじみの光景ばかり。決して無秩序ではないが、整然と、とも言えない、田舎集落の民家の建ち並び方、それを切り取った風景に焦点をあてるとこうなるのかと、ちょっと感心した。
◆大坪信二/村の絆/新宿ニコンサロン
市原市指定無形文化財のひとつ根本十二座神楽をめぐるカラースナップ。仲間内のちょろスナのようで、ちょっとしまりに欠ける感じ。
06/10/15
◆桑原史成、Surat Osathanugrah、石川直樹、上本ひとし/フォトシティさがみはら2006/相模原市民ギャラリー
ズーラシアにアカカワイノシシを撮りに行った帰りに。イノシシは太枠の柵の遠く向こうでろくに撮れず、帰り道、並ぶのが嫌で空いてるからと乗ったバスは全然違う方向に行ってしまい、えらい遠回りして相模原の駅までたどり着いた。
桑原の「水俣の肖像-公式確認から半世紀の節目」はニコンサロンの展示を見たばかり。何度見ても、艶のある深いモノクロは、見る者にテーマの深さを生々しく迫らせる。
Surat Osathanugrah「グッバイ・バンコク」は、近年急速に失われていくタイらしい風景のスナップ。一度だけ訪れたことがあるだけの者にも頷けるシーンが多々あり。
石川の「VOID」は、ニュージーランド北東のマオリの聖地の森に分け入る、明るい色のカラー作品。変化に富んだ視点視野で聖なる森のあちこちを捉えているが、不思議と静かで渇いた印象。
上本の「峠越え」は、癌を発祥した作家の母を旅立ちまで追ったドキュメントで、沈思黙考する際の視線のさまよいを思わせる、というか、母親が逝きつつあるその時期に目にした縁を感じずに入られない田舎景色が織り成されている。ちょっと乾いた感じのする暗いトーンのモノクロと、スクエア画面中心に主題を据えた構図が、静かで深い思考を感じさせる。
石川はカラー作品だったがあまり「カラー」を前面に出したものではなく、総じてモノクロ作品ばかりで、このご時世にちょっとうれしくなった。
06/10/21
◆奥山美由紀、亀裕里子、かんのさゆり、坂本勇、仲宗根香織、林田摂子、古川泰子、正岡絵理子、目良敦、山崎伸康/写真ひとつぼ展/Guardian Garden
恋した外国人の出身国を訪れるとか、母親の自殺の背景を探るとか、特化した目的に向かう意識から生まれる写真群というのはまだ理解しやすい。が、特にひとつぼ展の年齢層に多い、若さ爆発で目標を定めず撃ちまくる風、あるいはこれからの人生に対する漠然とした悩みの表出の一形態であるとか、なかなか共感しづらいものに共感し評価している審査サイドにむしろいつも驚かされる。とは言え、作家のコメントを見ていると、ある前提あるいは仮定を置いてやったときに見える世界を、撮れた写真に託してそうだと言い張っているだけのことで、それは実生活とはほんの紙一重のことなのではないか、とも思ったりもする。
◆渡邉克晃、山田アツシ、岩亮、家出志津子、佐藤博文、直江竜也、細江ひさの、三宅康代/富士フォトサロン新人賞2006/富士フォトサロン
ひとつぼ展の後に見たので、テーマ性の強さにひつまず安心感。なんてことを言いながら、どれが好きかと言われれば、重めのテーマのものよりも、細江の「散歩のススメ」が一番。散歩に意味を見出そうが、ましてやそれを口にしようが、一枚一枚の写真が最も気持ちよく語りかけてきてくれるタイプの作品だった。
◆金山一宏/All Over Again~New York City~/富士フォトサロン
「世界で一番元気な街」と作家が言うニューヨークでの、チャレンジ精神溢れる人たちのスナップ群。夕焼けっぽい風味のカラーと、人々の笑顔がいい。
◆椎崎義之/憧憬/Kodak Photo Salon
「フランス独歩で見た風景」との副題。最近の撮影らしいのだが、やや粒子の目立つ霞のかかったようなモノクロームで、古きよき時代感が醸し出されている。
◆映画「ただ、君を愛してる」写真展/Kodak Photo Salon
劇中、宮あおい演じる主人公が開催する写真展から抜粋した作品の展示、とのこと。カメラのカタログに使われてるような感じの写真群。
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