「手づくり紙芝居 ストーリー 」で検索してこられる方が多いので、以前も少し書きました。
話を伝えたい強い思いが紙芝居になっていくのが、一番自然な形です。災害を伝える、戦争体験を伝える、などです。
けれど、ひと様に伝えたいと思うほど 立派なエピソードもないし、さてどうしようか、というのが「検索」に向かわせる理由なのでしょう。
ストーリーテリング ウイズ ピクチャズーですから、話を伝えるために絵を使うと思うといいですね。
NPO法人語り手たちの会で、「パーソナルストーリー」などというジャンルで指導がされていますので、「個人的な話」と思って人生を振り返るのも、またいいですね。
けれど、今の子どもたちに昔の話を聞いてもらうためにはそれなりの工夫が必要です。私などに説明がしきれるとは思っていません。
ともあれ、こんなに検索してこられることが多いということは、ニーズがあるということですよね。
まず、出版されている絵本なり紙芝居なりをジャンルに分けてみます。
「参加型」・・・・クイズ・歌うもの など
「物語型」・・・・ストーリー性があるもの
「知識型」・・・・動物植物などを説明する科学もの
に大体分けられます。
例を言いますと、私が作ったもので「参加型」に当てはまるのは、「クイズかみしばい」などです。
構造上、絵本で言うと「点構造」で、1枚1枚につながりがありません。この場合は4枚が並列している点構造になります。
「物語型」というのは物語の種類によって分けます。絵本で言うと「線構造」です。話が最初から終わりに向かってずんずん一直線に進んでいきます。内容別に、「名作」「民話」「創作」
に大体分けます。その他に、「知識型」は登場人物にその動植物を当てはめて、その特性に合った話の展開をする物語型の、創作話にしていくことが多いです。
「名作」は、著作権が切れた話から作っていくといいですね。
「民話」は、地域の伝説や昔話から作ることを言います。これが、手作り紙芝居の王道のように思います。
私は、赤ずきんの話をそのまま作っては意味がないので、新潟の方言で作りました。「どーいんあかずきん」です。
伝説は、江戸時代の新潟であった、町民一揆の話で作りました。「明和義人ものがたり」で、高齢者施設で大変な人気でした。暴動にラブですから、血わき肉おどる、といった話です。
昔話は、「青山のきつね」です。これは昔話のジャンルでいくと「かみそりぎつね」というくくりに収まる話で、全国各地、自分の地域の名前に置き換えられて伝播されています。
「創作」は、いくつもありますが「のんびりカメ」さんを説明します。これは、地域の小学校の記録から「住民が子どものためにため池を作った」話、伝説から「鳥屋野潟に大亀がいた」話、それに村山壽子の童話にカメが昼寝をする話があって、それらをみんなくっつけたものです。
いずれにしろ、まず、主人公を決めて、それがどうなったか展開していくといいと思います。そしてその主人公は、どの画面にも姿が見えるように描くと、見る人はわかりやすいのです。
伝説で作るのが一番お勧めですから、図書館の地域コーナーでそういった話を探すといいですね。それから、やっぱり妖怪ものが人気がありますから、こわい伝説を見るのがコツでしょうか。
とにかく、ご注意願いたいのは、絵本を作り変えるのはやめた方がいいということです。自分で作って家の中で子どもに見せる程度ならいいけど、そのうち他でもやってみたくなるもんなんです。これは、ブーです。紙芝居は、左方向に抜いて行くので、絵本を変える時もそのように話が進む方向を変えなくちゃいけないことが多いです。とんでもない手間ですよね。
昔話絵本を紙芝居に作るとしても、脚本として見直さなくちゃなりません。それならば絵本の読み聞かせをした方がずっといいでしょう。