数日前に東京都内の桜並木などで、桜がちらほら咲いていて話題になった。
これは台風によって葉のほとんどすべてが飛ばされたあとによく見られる現象だ。なにしろ9月の下旬から10月上旬にかけて一週間ごとに二度も台風が強風をもたらし、かねてなら10月下旬くらいまではあるはずの葉がすっかりなくなってしまった。
鹿児島・鹿屋ではよく見られるし、今年も見られたが、原因は木が丸裸になることで葉を落とした晩秋から冬の期間が再現され、なおかつ気温・日照条件が春先と同じになることで花芽の分化が促進されて咲く。
桜が咲くのは春の彼岸から下旬の頃が多く、その時の気温・日照条件に近いのは秋の彼岸から10月上旬の頃で、今回はその条件を満たしていた。
ただ、報道でも「ちらほら咲いて」とあるように、けっして満開になったりはしない。そこは桜の木自体が分かって抑制しているのだろう。
中には人間と同じで超気の早いヤツが「わあ、春が来たんだ。咲かなくっちゃいけねー」なんて咲いたりするのかもしれない。確かに「狂い咲き」だ。
鹿屋でよく見るのがやはり9月の台風のあとに咲くパターンだが、ここ数年は台風そのものが来ないのでちょっと肩透かし的だったが、今度の二週続きの到来でやっと旧に復した(!?)
ところで、今朝菜園を見て回ったら、14,5センチに伸びてやや葉を広げ始めた白菜に何やら薄紅のゴミのような物が付着していた。朝露でべたっとしていたので近くに寄らなければ分からなかったが、何と合歓(ねむ)の花だった。
あわてて上を見上げるとちょうど真上にまで枝を広げている合歓の木の、とある細い枝の先端に一輪の花が咲いていた。狂い咲きだ。下の白菜の葉の上に落ちたのはその仲間だったのだろう。
桜と同じでいつもなら10月いっぱいくらいまでは葉を落とさない合歓の木だが、やはり今度の2回連続の台風で一度は葉がすべて無くなり、条件の良かった枝だけ再度新葉を付けた。 ここ三日ほどは最低気温が12度前後と寒くなったが、日中の気温は25度から28度くらいあり、通常花を咲かせる初夏の気象を感じたのだろう。
新しい葉ではないが、庭では朝顔や鳳仙花のこぼれ種から生えてきた二世が花を付けている。これも温暖化の余興だろうが、可愛らしい。