鴨着く島

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世界中がパンデミックになった真因

2020-05-19 16:04:07 | 災害
米国が断トツの感染者数と死者数になり、アメリカの感染発現地である中国に対しての責任論が強まっているが、その論拠の中心は中国政府が1月の早い段階で新型と分かっていながら、WHOや各国へ通知するのをためらったことだということである。

それは勿論その通りだが、1月23日に中国政府が武漢市を完全にロックダウンし、プレハブの専門病棟1000棟を5日間の突貫工事で造り上げたことへの驚きに似た賞賛めいたものを感じ、WHOの事務局長もそのような素早い対応を激賞していた。

しかし事務局長テドロス氏はエチオピア出身の外交官であり、そのエチオピアは中国からの多額の出資によってインフラ等の整備がどんどん進んでいることへの忖度があったらしいことも最近の報道で分かって来た。

WHOの大きな失策は何と言っても「パンデミック宣言」が遅れたことであるが、実はもっと本質的なことで見過ごされたことがある。

それは中国人世界旅行者の圧倒的な数だ。

具体的に何万人だったかは不明だが、去年の12月に武漢で初の感染者が出てから1月23日に武漢がロックダウンされるまでの一月半、武漢およびその周辺の地域からいったいどれだけの海外旅行者があったのだろうか。

日本でも北海道で早い段階で次々に感染者が見つかったのは、主に中国からのスキー客が感染源だったからだろう。

イタリアが多いのも北イタリアにあるオリンピックも開催されたサンモリッツへの中国人旅行者からだろうし、同様にヨーロッパ中至る所に彼らの足跡は及んでいる。

今から17年前に広州を中心に感染が広がったSARZの時はこれほどの広がりは見せず、感染者は地元を中心に8000人とかで収まったが、あの時はまだ中国人で海外旅行をするのは限られた層であったことが幸いしたのだろう。

ところが今回はどうか。もう言わずもがなである。

圧倒的な数の中国人旅行者が世界各地に足を延ばしている。

これが世界的なパンデミックを生んだ真因ではないだろうか。

中国政府がもっと早い段階で海外渡航を禁止するか、各国がもっと早い段階で中国からの入国を禁止していればこれほどの流行はなかったに違いない。

いずれにせよ中国政府の初期の感染防止策が問われるわけだ