鴨着く島

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2021年衆院選挙の前哨戦は痛み分け?

2021-07-06 13:25:29 | 日本の時事風景
7月4日投開票の東京都議会議員(127名)選挙の結果が出た。

前回の選挙で第一党だった「都民ファーストの会」(小池百合子都知事が創立、現在は特別顧問)が現有議席の3分の2の31議席に減り、第一党に自民党が返り咲いた。

第一党に返り咲いたと言っても都ファより2名多い33名で、確かに現有よりかは8名伸ばしたのだが、それでも選挙前の予想の「40名以上」からすると大分少ない。したがって勝利したとは言い難い。

しかも前回は小池氏支持に回った公明党が、今度は自民支持に帰って来たので、相当の伸びを期待していたのだが、その当てが外れたという塩梅だ。無党派層の支持率も都ファに大きく水をあけられているという。

小池東京都知事は選挙戦が始まる前に「過労のため入院」しており、退院後、選挙戦最後の日に各候補の演説会場を回ってエールを送ったと報道されていたが、これが功を奏して最悪の下落を免れたのではないかというニュース解説もあった。しかし、そこは違うだろう。

選挙戦前のあの「過労による入院」こそが同情票を生んだのだと思う。

というのは、都民ファーストの会は選挙公約の中で「観客無しの五輪開催」を言っていたのだが、政府サイドは「上限を1万人にして開催する」と決め掛かっており、選挙公約では語らずにその方向で進めることが既成の事実化しつつあった。主催者側の東京都と、組織委員会を抱えている政府との間の溝は埋まらないままだ。

そのことはかえってオリンピックの中止または延期派を強固にし、自民党支持者や開催支持派の中に「曖昧に事を進めるな。東京都側の話も聞け」という反発を起こしてしまったのだ。

自民党票が思ったより伸びず、都民ファーストへの票が思ったより減らなかったのは、そこら辺に理由がある。

自民党政府はどうしてもこのオリンピックを成功裏に開催し、その後に控えている総裁選と衆議院選挙に花を添えたいのだが、どうやら雲行きがあやしくなってきた。

東京オリンピックが無観客にしろ上限1万人にしろ、通常の日程で開催されたとしても、今のワクチン接種状況から見て、また、学校が夏休み入ることから考えて、感染の再拡大は防ぎようがない。

7月11日に期限がくる東京圏の「まん延防止等重点措置」の後をどうするかで、今、論議がなされているが、少なくともオリンピック開会前までの延長は必至だろう。

それどころか、オリンピック開催期間は無観客かつ外出禁止にでもしないと、競技日程の最中に会場周辺でクラスタ―でも発生したら、オリンピックの続行そのものが不可能になりはせぬか。口を開けば「安心・安全の・・・」という菅総理の顔に泥を塗ることになりはしないだろうか。

「オリンピック開催してもいいけど、無観客でね・・・」という都知事を無視して、上限がどうのこうのと頭をフル回転させながら開催したとして、これはやはり衆院選への「賭け」になろう。都議選は痛み分けだったが、今度はさてどうなるか。

※私見では開催11月延期説だ。半年前までは丸1年延期説だったのだが、やはりクソ暑い夏より、気候の安定している晩秋がふさわしい。アメリカの映像メディアの金権など無視すべきだ。可能ならかち合わない方がよいのだが。それなら12月はどうだ。スポーツは寒くてもできる!