鴨着く島

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新型コロナ感染者が2万人に!!

2021-08-14 21:33:12 | 日本の時事風景
昨日から、日本の新型コロナ感染者がついに2万人を超えた。

7月29日に「1万人を超えた」と驚きの発表があってから、わずか16日で2倍になった。これはもっと驚きだ。

今年の正月明けに全国で7500人というそれまでの最多感染者に、やや驚いたのだが、その後は徐々に増えてはいたが、落ち着いた増加であった。5月の連休もさほどの急激な増加はなく「想定内」の状況だった。

それが皮肉にもファイザー社のワクチンが浸透してくると、かえって気が緩んだのか、7月に入ってから感染者が増加の一途をたどり、専門家の間で「第5波に入った」という意見が出されるようになった。

その結果、菅政権は7月11日から首都圏等の都市部に対して緊急事態宣言の延長を決めたのだが、ワクチン接種がかなり進んでいるにもかかわらず、感染は一向に減らなかった。

この頃、菅首相は記者団の「もっと強力な規制ができないのか」という質問には決まって「欧米では何度もロックダウンをしたのに、感染が押さえられていない。わが国ではそのような規制はしない。ワクチン接種で何とか感染爆発は抑えられる」との一点張りであった。

しかし、もうそうは言っていられなくなった。東京ではインド由来のデルタ株の猛威で、先に触れた今年の正月明け時点での最多約2500名が、3,4日前からは5000名を超えるようになった。お盆の帰省と夏休みの移動がある限り、この増加状況は今後も続くに違いない。

それにしても1年半前に少しの感染者が報告されて、学校関係が春休みまで休校となり、卒業式も在校生の参列なし、親も一人だけの参加という異常事態となったのを思い出す。まるで腫物を触るように「部活の自粛」「過酸化水素水による徹底消毒」等が矢継ぎ早に日常生活に取り入れられた。

3月24日にはIOC声明で、東京オリンピックの一年延期が言われ、明けて4月7日には「緊急事態宣言」が「発出」された。その際に一部の国民の間に「自粛警察」なるものが現れ、話題をさらったが、今ではかえって懐かしい。

こういった国民の自粛への自発的取り組みのおかげで、先進諸国が一日に万の単位で感染者を増加している一方で、日本の感染増加は微々たるものであった。安倍前首相はこれを称して「日本型感染抑制モデル」と胸を張った。これも「アベノマスク」とともに、懐かしいくらいだ。

たしかに日本のそういった状況は、台湾や韓国の感染者の少なさとともに、世界の注目を浴びたのだが、6月19日にプロスポーツの観客を入れての興行にゴーサインを出し、県境をまたぐ移動も良しとしてから、次第に東京のみならず全国各地(特に沖縄)で小爆発的な増加に転じた。当鹿児島でも7月の初旬に、接待を伴う飲食店で大規模なクラスタ―が発生している。

さらに夏休みの旅行・レジャー・帰省を当て込んで「GO TO トラベル」「GO TO イート」を解禁したことで、感染増加は歯止めを失くしてしまった。

秋のシーズンはさほどの顕著な増加は見られなかったが、忘年会シーズンに入った12月になると「厚生省老健局の職員によるクラスタ―」が発生したりして、どんどん増えて行った。

年末年始が過ぎ、正月の7日の時点で、上に述べたように東京都で2500人弱、全国で7500人の大幅な増加となって現れた。

成人式は軒並み中止となり、卒業式も1年前と同じ寂しい式典となった。

そしてオリンピックが済んだ今日この頃、感染者数が2万人となり、これは一年前なら日本の10倍以上も感染者の多かったイギリスの現在値3万余の7割にも当たる。今月中にはイギリスと肩を並べるのではないかと危惧される事態だ。

イギリスは米国のファイザー社やモデルナ社のワクチンより効き目が劣ると言われながらも、自前のアストラゼネカ社のワクチンがあって、だんだん減少して行くだろうが、自前のワクチンを持たない他国頼みの日本は、「日本型感染抑制モデルだ」などと法螺まがいの雄叫びなど「発出」している暇に、ワクチン政策を確立しておかなければならなかったのだ。

ワクチンを早くに確立して、世界からやって来るオリンピアンに接種できるような体制が取れなかったのか、と残念である。遅れてもいいから自前のワクチンを完成すべきだろう。

冬季オリンピックでチャイナワクチンが使われ、「中国政府はオリンピアンに東京オリンピックよりも安心・安全を保障した」などと尊大に言われたくないではないか。