鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

山間の田んぼ(2022.04.15)

2022-04-15 15:57:52 | おおすみの風景
今年はやや寒さが長引き、春の田植えのうち早期米を植え付けるのが、いつもより10日から2週間くらい遅かったようだ。

それでも昨日今日と夏日が続き、植え付けたばかりの田の水も温み、幼苗が直立し始めている。(写真の場所は鹿屋市吾平町大牟礼地区)

こうなると余程の寒さが来ない限り、幼苗の根の活着が促進され、新しい葉が生まれ田んぼ全体が青々としてくる。

農家も安心してホッと一息入れたくなる時期だ。

このような水田のある風景は日本独特のものだ。しかも早期米と普通米の時期的な差はあるにしても、この風景が春から夏にかけてほぼ全国一斉にみられるのはなおさら日本的だ。

戦後になって北海道でも気候に適した品種が生まれ、彼の地はいまや有数のコメの産地として定着した。

ところが沖縄だけは水田が無いそうで、沖縄の酒泡盛に使う米はタイからの輸入米だそうだ。気温的には米作りに向いているのだが、問題は土壌で、サンゴ礁の島であるから、まず保水性が無いため「湛水」が難しいうえ、アルカリ性が強い土壌なので、幼苗が育ちにくいのだろう。

(※沖縄に水田のある風景が無いということは、逆に言えば異国情緒がいっぱいということになり、観光的には大いに売りになっているから、それはそれでよい。)

早期米の植え付けが終わるころ、桜も散りはて、今度は照葉樹林が四周の山々の山肌を埋め尽くすようになる。

そして、スギ花粉症が終わる。