鴨着く島

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角川(KADOKAWA)よ、お前もか!

2022-09-17 14:54:39 | 日本の時事風景
東京オリンピックをめぐる利権体質は止まる所を知らない。

オリンピックの公式スポンサー契約に関する広告会社電通出身の高橋某への「献金指向」は、文化出版企業のKADOKAWAをも汚染していたという。

電通時代に知己を広めた高橋某が退職後に始めたコンサルティング会社のロビー活動によって、東京オリンピックのスポンサー利権が特定の企業に行き渡り、それに対する仲介手数料がわんさか集められた。そのほとんどは東京地検特捜部によってワイロとして認定されたようだ。

今朝の新聞報道によると、高橋容疑者が35人在籍していたオリンピック委員会の理事に就任した経緯を、オリンピック招致委員会会長で、東京大会の組織委員会副会長だった竹田恒和氏を読んで特捜部が聴取したという。

竹田恒和氏といえば招致委員会会長だった時に、IOC(国際オリンピック委員会)の理事に東京を選ぶよう資金を提供した件でフランス当局から訴追されている。

また、東京オリンピック大会組織委員会会長だった森喜朗元首相も参考人聴取を受けている。森氏が会長、竹田氏が副会長だった時だから理事の人選の最終決定者であったから当然のことだろう。

KADOKAWAがスポンサー契約を結んだのは、純粋な広告というよりやはり利権がらみであった。その内容は東京オリンピックのガイドブックをメインとするガイド本の出版利権であった。

この出版販売額がどれだけであったかの発表はないが、少なくとも高橋容疑者側に渡されたワイロ7600万円よりは高額だったのだろう。ただ、KADOKAWA側としては、さほどの利益にならなくても、公式のサポーターになったという栄誉がわが社の広告になるわけで、7600万は安い経費だったと言えるだろう。

それにしてもオリンピックをめぐる利権構造にはうんざりする。これでは「アマチュアスポーツの祭典」の名が廃る。

そもそもこのようなスポンサーが幅を利かせるようになったのは、1984年に開催されたアメリカのロサンゼルス大会からだ。

アメリカのスポーツは初めから「興行」だったと言える。つまりプロスポーツであり、選手を契約で仕入れ、彼らを戦わせる姿を観客に見せて入場料を取るのが興行で、そこにはほとんどアマチュアの影はない。日本が高校でのアマチュア競技から格上げしてプロになるのとはかなり違うのだ。

ロサンゼルス大会ではスポンサー契約とともにメディアの「放映権」が高額で販売され、その収入によって公的資金が最少に抑えられた。この成功体験がこのあとのオリンピックにも徐々に浸透し、今やメディアの放映権料なくしては成り立たないような巨大利権大会になってしまった。

今度の東京オリンピック大会でも見られた「真夏の炎天下のマラソン競技」も、アメリカメディアの巨大利権が気候の良い秋に大会を開くことを拒んだ結果である。何というスポーツへの冒涜だろうか。

彼らにとって秋はプロフットボール、プロ野球、プロバスケットなどプロスポーツの放映とそれによる広告収入の書き入れ時なのである。金のためならアマチュアスポーツなんてクソくらえなのだ。

このような利権構造を追認しているIOCもIOCだが、今度の東京オリンピックにかかわる利権がらみの事件はこのようなアメリカ発祥のメディア利権に毒された結果である。

そこにあの出版大手の文化企業KADOKAWAが入っていたとは驚きだ。文化が金儲けの文明(※文鮮明ではない!)によって浸食されてしまったとしか言いようがない。

アマチュアスポーツの祭典オリンピックは、今後、発祥の地ギリシャのアテネで常時開催してもらいたいものだ。IOCおよびメディアの利権構造なし、ステートアマなし、のすがすがしいアスリートたちの競技を観ようと世界中から観光客が集まり、衰退久しいギリシャもよみがえるに違いない。